夢を叶える145☆セルフイメージの変容と引き寄せ
うつ病は病気です。
「怠けだ」「わがままだ」という偏見を持たれることもあります。しかし、それはうつ病の実態を、みんなが知らないだけです。
うつには原因があってしくみがあります。どちらも実際のところ、まだ完全にはわかっていませんが、さまざまな要因が重なって引き起こされるものです。
それは「遺伝的」「身体的」「環境的」「心理的」な要因です。うつの原因としくみを、知ってください。
うつ病を知ってほしい ~原因としくみ~
うつ病の原因とは
- 「遺伝的」とは言葉の通り、生まれた家系から受け継いだもののことです。
遺伝的素因
- 「身体的(生物学的)」とは疲労や病気を指します。
心と体は関係し合っているため、病気(がん、糖尿病、心筋梗塞、脳卒中、認知症など)になると、うつを発症する場合もあります。また、服用している薬がうつを引き起こす可能性もあるので注意が必要です。
へたれひよこ
- 「環境的」とは目標の喪失感や無気力な状態です。
これは「アパシーシンドローム」と呼ばれ、達成すべき事柄が終わってしまい、力尽きてしまった状態です。
- 「心理的」精神面については、以下のように分類できます。
「責任や難問を抱え込む重荷型」
負担が絶望感に変わり、抱えきれなくなり、うつ病を発病します。
「責任や難問を荷下ろし型」
解決したあと放心し、虚脱感によってうつが引き起こされます。
ストレスについて
ストレスは、「重荷型」に分類されます。ストレスがうつ病の主な原因とされがちなのは、状況の変化が身体に影響を及ぼすからです。ストレス要因(ストレッサー)には、さまざまなものがあります。
- 物理的ストレッサー寒冷などの気温、騒音、光、放射線など。
- 科学的ストレッサー酸素、薬物、たばこ、食べ物、アルコール、排気ガス、埃、臭気など。
- 生物的ストレッサー炎症、感染、最近、カビ、花粉など。
- 心理的ストレッサー不安、怒り、不満、悲しみ、喜びなど。
許容量オーバー
遺伝以外は、何らかの大きな変化によるものでしたね。これらが複雑に合わさって、誰にでも起こり得るということです。うつ病の明確な原因を突き止める日は、まだ少し先かもしれません。
うつ病のしくみ
うつ病は身体にも症状が生じる「心と脳の病気」です。心と脳は密接に関わり合っているのです。目に見えない心だけでなく、近年は脳の研究がさかんに進展しています。
前述した通り、うつ病患者の脳は情報の伝わり方に異常があり、それには神経伝達物質の減少が関わっていることが、最近の研究で明らかになっています。
心と脳
私たちは生活の中で、脳から基本的な動作の命令を体に伝えていますが、それは体を動かす命令だけではありません。
「意欲」や「記憶」などの感情を伝えたり、知的な命令も出したりしています。 このとき神経の細胞から細胞へ情報を伝えているのが、神経伝達物質です。
神経伝達物質の中には、セロトニンとノルアドレナリンがあります。この2つは気分や意欲、記憶などの人の感情にかかわる情報の伝わり方をコントロールし、心と体の働きを活性化させていると考えられています。
- セロトニンのはたらき
精神が安定して、楽天的、楽観的な気分になる。減少すると感情が不安定になり、悲観的でくよくよ考えるようになる。
- ノルアドレナリンのはたらき
適度な緊張感で積極的になり、集中力や記憶力が高まる。減少すると意欲が減退して消極的になり、集中力や記憶力が低下する。
心と脳と身体の情報伝達がうまく行われないため、さまざまな症状が現れるのが、うつ病です。
私の場合
うつ病になってしまうと、自分を卑下したり、自己嫌悪に陥ったりします。それを否定するには、とても長い時間が必要で、立ち直る術も必要です。
何かきっかけがあれば、上向きに変わっていくのでしょうけれど、そのきっかけを見つけるのが、うつ病患者にとっては苦難の道です。
私は人を遠ざけながら、誰かに助けてほしかった。
今ではそう思っています。
自分を否定してしまう
自分を知ることで変われるのだと、うつ病患者は知りません。しかし、だからこそ、「原因があって症状が出る」という当たり前のことを理解する必要があります。そうすることでやっと、自分を見直すことができるのですから。
自分を見直す手助けをしてくれる人が、うつ病患者には必要なのです。だから、助けてください。あなたの助けを、私は待っています。
僕の後ろを歩かないでくれ。僕は導かないかもしれない。
僕の前を歩かないでくれ。僕はついていかないかもしれない。
ただ僕と一緒に歩いて、友達でいてほしい。
アルベール・カミュ
まとめ
うつ病を知ってほしい ~原因としくみ~
- うつ病は、心と脳の病気である。
- うつ病の脳は神経伝達物質が減少している。
- 卑下や自己嫌悪は助けを求めることを躊躇させる。
- 原因と仕組みを知ることが、自分を見直すことにつながる。
- 手助けしてくれる人が必要。
著者プロフィール
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抑うつ状態を闘病中、心理カウンセラーを取得し、カウンセラーを目指しています。
足を止めるのに戸惑っているあなたに、救いの手を差し伸べたいとおこがましくも思います。
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