夢を叶える145☆セルフイメージの変容と引き寄せ
私の高校時代の同級生に、自閉症の三四郎くんがいました。
自閉症の病状そのものは、古くから存在していたのですが、それがきちんと認識されたのは、1943年、アメリカの児童精神科医レオ・カナーが、早期幼児自閉症として報告したのが最初です。「聡明な容貌・常同行動・高い記憶力・機械操作の愛好」などの特異な症状をもつ子どもを、「自閉」と名づけることになり、これが医学上の自閉症の歴史のはじまりです。
【夢を叶えるワンポイント☆32】自閉症の三四郎くん
三四郎くんは、英語は私よりできたけれど、他の教科はまったくダメで、コミュニケーションがとれないから、音楽と体育以外はクラスは別でした。昔は、身体障がい者、知的障がい者、精神障がい者の区別がはっきり分れていて、障がいの種類によって、行ける施設や学校が決まっていたのです(今では、障がい者なら、同じ施設や特別支援学校に通えるようになりました)。
私が通っていた学校は、身体障がい者の学校だけれど、知的障がい者でも、身体障がいがあれば入れました。三四郎くんのように、身体障がいがない自閉症の人ははじめてで、なぜは入れたかはナゾです。
1950年代から60年代には、「自閉症は、親の愛情不足が原因」の心因性の症状と誤解されていて、「母親が愛情をもって育てれば、自閉症は治る」と思われていました。自閉症児の母親たちはレッテルを貼られ、社会的な非難を浴び、自責の念と罪悪感に悩まされたのですが、悲しいことに、現代でもこの間違った解釈が、少なからず社会に根づいています。
70年代になり、自閉症は先天性の脳障がいであることが、イギリスの医師により発表されました。自閉症は、脳の発達障がいによる、特異な言語障がいと認知能力の障がいのため、人との関係ができにくく、強いこだわりや常同行動(一見、目的もなく、同じ行動を繰り返すこと)がでたりすることがわかってきました。
日本では、70~80年代に、テレビの見すぎが自閉症の原因との説が、まことしやかに展開され、環境原因説が横行しました。その結果、自閉症は親の責任との誤認識がさらに世間に広まり、自閉症に対する無理解が親を苦しませました。今でも無理解が残っていて、「親の虐待や愛情不足により発症する、本人の努力で治る病気」という誤った認識がつづいています。
論文によると、自閉症は脳障がいとのことなので、私の脳性まひと、障がいがでる脳のパーツが違うだけです。知的障がいと身体障がいとは、昔は分けられていたけれど、障がい者は同じ障がい者だと思うし、何で分れていたのかと今では疑問に思います。昔は何も理解できなくて、疑問にも思えませんでした。
三四郎くんは、コミュニケーションがとれないから、よく泣いていていました。すごく苦しくて、辛くて泣いていたことが、大人になってから自閉症を理解することで、ようやくわかりました。
2005年に、発達障がい者支援法が施行されましたが、現状は依然厳しく、自閉症などの発達障がいの人を受け入れてくれる一般の学校や施設は、とても少ない状況です。正しい認識を、多くの人がもつことが大切です。
結局、
真の知識を得ようと望むものは、
誰でも艱難の山を一人で登らなければならず、
頂上への王道がない以上、
私は曲がりくねりながら
登らねばならぬことに気づいたのです。
ヘレン・ケラー
まとめ
【夢を叶えるワンポイント☆32】自閉症の三四郎くん
- 自閉症に対する無理解が、親を苦しませて、今も無理解が残っている。
- 自閉症の歴史は浅い。
- 自閉症の正しい認識を、多くの人が持つことが大切。
著者プロフィール
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