夢を叶える145☆セルフイメージの変容と引き寄せ
ドラマ「カルテット」の最終回で飛び出した衝撃のセリフ、それが「人生、チョロかった!」。
このセリフにショックを受けた人も多いはず。しかし、あなたも実はどこかで「人生は楽勝」と考えていませんか?特に、「人生設計」という言葉に関心のあるあなた。
今回は、「人生設計」という言葉の裏に潜む「人生チョロい感」を紐解いていきます。
【人生チョロかった!】カルテットを観て人生設計という矛盾を読み解く
問題のシーンについて
「カルテット
「いつもクラスが学級崩壊していた」
「付き合った男はみなダメ人間になった」
そんな、いわくつきの小悪魔キャラの有朱は、最終回では金持ちっぽいイケメンの夫を引き連れ、とまさかの大暴言を吐きました。

来杉有朱
このセリフに衝撃を受けた視聴者は多く、放映後のSNSでは「一度はこのセリフ言ってみたい!」と憧れる意見もありました。人生というものは結局、要領よく生きた者が勝ちなのでしょうか?
有朱の存在は、主人公カルテット
というドラマ感想を書きたいわけではないんです、今回。
「人生チョロかった」の大きな落とし穴
「人生チョロかった」に対して、「わたしも言ってみたい!」「絶対、わたしもそう言える人生にしてやる!」といった声が多く挙がっています。しかし、この言葉には大きな落とし穴があります。
有朱の設定年齢は23歳です。「人生チョロかった」というセリフが「過去形」であることから考えると、彼女の「人生」はこの最終回より前、おそらく、結婚した時点で完結した、ということになります。
小説家の森博嗣は「夢の叶え方を知っていますか? (朝日新書)
例えば、「お金持ちとの結婚を夢見ている」場合、思い描いているのは結婚式のシーンや新婚生活のシーン、幸せな家族のシーンなど、あくまでも「ワンシーン」です。

夢を叶えるシロクマ
「金持ちとの結婚」したあなたは、思い描いたワンシーンよりも、はるかに膨大な時間を結婚生活でおくることになるからです。
子供ができたらどうするのか?
出来なかったらどうするのか?
夫の仕事がうまくいかなくなったら?
夫婦仲がうまくいかない時期はどう乗り終える?
「人生チョロかった」と過去形で語ったあとも、残酷なほど長い長い人生という時間が続いていきます。本当に人生がチョロかったかどうかは、死ぬその瞬間まで、誰にもわかりません。
「人生設計」という考え方の落とし穴
この「人生チョロかった」という考え方は決して特殊なものではなく、実は結構頻繁に使われています。それが、「人生設計」という考え方です。
計画でも予定でもなく、人生を「設計」するのです。よくよく考えると不思議な言葉ですね。
計画というのは常に失敗がつきものだし、予定通りにいかないことだってよくあります。しかし、「設計通りにいかない」ということはまずありません。
設計図に忠実に作れば、ちゃんと完成するものです。(ものによっては設計図さえしっかりしていれば、素人でもカンタンに作れる、なんて場合もあります)
人生設計においても、この「設計図」が重要視されます。自己分析をしっかりして、きちんとした緻密な設計図を描き、その通りに正しく組み立てれば

ひらめきひよこ
しかし、現実の工事現場では、どんなに設計図が完璧でも台風や地震が起きれば納期が遅れます。設計図が悪いわけではありません。天候や災害は「想定外」だからです。
パーフェクトな人生の設計図を描くのはいいですが、人生は想定外の連続だという自覚が欠落してしまうのは危険です。
10年前から原発事故のことを想定していた人が何人いたか。
10年前からイギリスのEU離脱を想定していた人が何人いたか。
10年前からトランプ政権の誕生を予期していた人が何人いたか。
3年スパンの人生設計
フリーランサーの安藤美冬は著書「やる気はあっても長続きしない人の「行動力」の育て方 自分を変える「7+1の習慣」
「世界で最も変わりやすいのは自分」
という考え方があります。

天使ひよこ
ほかでもない「あなた」です!自分自身の心変わりこそ、人生設計における最大にして、頻繁に起こりうる「想定外」なのです。
「人生チョロかった」の背景には、長期的に人生を見る視点が欠けています。しかし私たちが苦手なものは、以下の3つです。
- 長期的に分析する
- 長期的に考える
- 長期的に意志を保つ
でも、3年スパンで人生を計画していくのなら、何とか想定できるし、自分の意志も保つことができます!もちろん、また次のサイクルが待っているわけですが、毎回「3年チョロかった」くらいは言えるようになるはずです。
安藤美冬の「3年スパン」という考え方は、「3年だけ考えればいい」というものではなく、「3年計画を1サイクルとして生涯くり返す」という人生設計です。死ぬまで完結せず、ひとつのストーリーが完結したと思ったら、すぐに次の章が始まります。
「人生チョロかった」の落とし穴は、その続編を考えていない点です。だからこそ「チョロかった」という過去形でおわり、「チョロい」という現在進行形ではないのです。
どんな経験も次の経験のための準備に他ならない。
次の経験がどのようなものか予測できないだけなのだ。
ハワード・シュルツ
まとめ
【人生チョロかった!】カルテットを観て人生設計という矛盾を読み解く
- 人の夢はワンシーンである
- 人生は想定外がつきもの
- 長期の人生設計よりも、3年サイクルで考えるべき
著者プロフィール

- 2015年にピースボート地球一周の船旅に参加し、現在は仮面ライダーの記事を中心にフリーライター業。また、埼玉を中心に、道端の野仏から日本の民俗を研究している日本民俗学ファン。現在、船旅や日本民俗学などをテーマにしたブログ「僕らは旅人」を展開中。
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