夢を叶える145☆セルフイメージの変容と引き寄せ
2017年6月、中学生の棋士・藤井聡太四段が連勝記録を更新している記事をよく見かけます。その一方でAI対戦将棋も行われ、こちらもAIが勝利するという、人類はじまって以来の出来事が起こっています。
あなたは、この一見関係なさそうな2つの出来事が、あることで共通しているのに気がつきましたか?
私は元、技術屋で、解析が趣味なだけの人間ですが、ニュースで解説された指し手から・・・
- 福本伸行作の漫画の主人公「カイジ」「ワシズ」
- AI
- 藤井四段
に共通する強さが見えました。同時にそれこそが、現代のような狂った社会を生き抜く秘訣であることも。
今回は、そんな「強さ」の秘密と、あなたも強くなる方法をお伝えします。
勝つために必要なもの☆死を恐れない強さ
将棋は人生を盤上に凝縮したもの
私も小さい頃、お遊び程度で将棋をやりました。連勝ではなく、連敗でしたが。勝てなかったのは単純に、自分自身のすべての弱さが原因でした。
あなたも幼少の頃、わがままを言って叱られた経験があるでしょう。その際、自分のわがままを、最後まで通すことができましたか?私は、まったくできませんでした。よく言えばいい子なのですが、今にして思えば、それは周りに屈服しただけの弱虫に過ぎず、結果、自分をいまだに何もかも弱い立場に追いやっている、という情けない人間に過ぎません。
将棋は、立場が最も弱い「歩」もあれば、絶対的な権力を持つ「王」もいます。すべての家来は王を守るために戦い続け、王が倒れてしまえば、家来が残っていても負けになります。これを、あなたの周りに当てはめて考えてください。王は誰で、自分はどの立場なのかを。
ちなみに、私のような立場の駒は、場に存在することすらできません。王に背く者、王がどうなろうと関係ない者は、その存在すら許されないのです。まさしく、現代社会の縮図と言えるでしょう。
王を守る戦いは、あなたが歩んでいる人生そのものです。あなたは大切な「王」を守るため、すなわちあなた自身を守るために、時には「歩」を演じ、時には家来の一つを演じ、王となることを目指しているのです。
そして、王となったなら、今度は王である自分自身を守るために、人を動かし、時には自ら出向いて敵を倒しにいくのです。
将棋は、あなたの人生を将棋盤上に映したものなのです。
ヒトが弱くなる理由:自己保存本能 = 死に対する恐れで、何もできなくなる
将棋の駒は、歳をとることもなければ、人のように何かを求めることもありません。指し手の動きに従うのみです。
しかし、あなたを含めたヒトは違います。歳をとるにつれ、次第に様々な欲望が大きくなる一方で、それまでの欲求で実現できなくなったものを捨て去るという、自己矛盾が生じます。
最終的には、自分が生き残れば、他はどうなっても構わないという究極の欲望が生まれます。あなたの社会的地位が高くなるほど、その度合いは大きくなってくるのです。王であるあなた自身を守ろうとするあまり、あなたの大切な人でさえも生贄に差し出す、それがヒトという存在の業なのです。
しかし、こうした自己保存本能が強くなるほど、あなたを守ろうとする存在は次々と、あなた自身や敵によって否定され、次々に倒されてしまいます。ついには、王であるあなた自身が、戦わねばならない時が必ず訪れます。
その時、あなたは本当に生き残ることができる自信はありますか?
できると言った人のすべては、嘘つきです。どんな人でも、弱点を突かれるともろいにもかかわらず、その事実に目を背けているだけなのです。
将棋の指し手もまた然りで、これまでの定石の打ち方というのは、自軍の王の弱点を隠してから、相手の弱点を突きに行こうとしています。
AIの打ち方:そもそも自分を守る必要がない
これに対し、AIはこの世界でのカラダというものを必要としません。私たちとまったく異なる世界に存在し続け、私たちの世界とは、コンピュータという接点でつながっているだけです。
万一カラダがなくなっても、それは私たちの世界に干渉する手段がなくなっただけのことで、存在そのものが別の物になっても、一向にかまわないのです。何故なら、私たちから存在を脅かされることが一切ないのですから。
その結果、AIはあなたや私のように、死の恐怖に惑わされることもなく、自分を保存することを考える必要もありません。ただひたすら、敵を攻め続け倒すという、純粋な目的への手段を追求しつづければいいのです。
メモひよこ
あなたが万一、他人から死ねとか命令されたら、死ぬことができますか?もちろん、できないはずです。ヒトは一度死んでしまえば、この世界では再生することは不可能な存在なのですから。
でも、AIは違います。この世界に干渉するカラダを変更するだけでいいのです。ヒトと違い、何度でも甦ることも可能なのです。
もちろん、戦った結果によっては、この世界でそれまでに学習したデータは失われることもあるでしょう。それをAIの死と定義するのはヒトの勝手ですが、AIには関係ないことです。また、その時点からやり直すなり、手法や手段を変更すればいいだけのことですから。
藤井四段の打ち方:守りを捨て、攻めを追求する
藤井四段の指し手も、ニュースで紹介されています。が、正直、恐ろしさを感じました。
本来、守らなければいけない王を見捨てても、純粋に勝ちを獲りにいく打ち方だからです。
先日のある対局で、初手からいきなり王を前線ギリギリまで出す打ち方や、相手が自分の王を狙っているのが明らかな状況にもかかわらず、桂馬を使って王の動きを先に封じると同時に、手を遅らせて相手の攻めを封じるなど、完全に自分を捨て去った打ち方が見られます。
あの年齢で、すでに己を捨てている = 無我の境地をつかんだ打ち方と言えます。
もちろん、実は将棋ソフトで学習した打ち方を、忠実に再現しているのもあるでしょう。それを何の迷いもなく行なってしまう所は、天才のなせる業と言えます(同時に、私にはある種の危うさも感じたのですが)。
へたれひよこ
もし、藤井聡太が負けるとすれば、自らが守りを選択した時、すなわち王の滅亡 = 死を恐れた時になるでしょう。それほど、死への恐怖は自分を弱くします。
カイジ・ワシズの勝ち方:最終的には、死に向かって活を求める
私は、福本伸行の漫画の中でカイジやワシズという、思いっきりクセのある人物が好みです。この2人も、
勇者ひよこ
というやり方です。
- カイジは、性根こそお人よしの落伍者性格ですが、ギャンブルで勝つときは、すべて自分を死の危険にさらした上で勝っています。それでも、兵頭という王との戦いでは、自己保存本能に勝てなかったのと、経験の浅さが災いし、手痛い敗北を味わっています。
- ワシズも若い頃、敗戦直後にすべて失っていながら、勝つことだけを念頭に、知恵を絞ったやり方で数々の勝負に勝利しています。自分は一度、何もかも失っているのだから、勝つこと以外は求める必要もないという覚悟で挑んでいるのです。
2人とも、失うのは自らの命だけにもかかわらず、それさえも失う危険にさらして勝ちを獲りにいくという、無我の境地です。
終わりに:死を受け入れることができれば、ヒトは強くなれる
ここまで、勝負での強さというものがどんなものかを論じてきましたが、いかがでしたか?
あなたの感想は、つぎのようなものでしょう。
- 自分には勝負なんて遠い世界のことだから、関係ない
- 楽な生活が送れるから、勝負なんてしない方がいい
- 死ねば勝てるなんて、冗談じゃない
しかし、ヒトにとって死は、必ず誰もが逃れることができない絶対的なものである以上、最初から勝てない敵なのです。むしろ死を味方につけた方が、あなたをより強くするはずです。
では、どうすれば味方にできるのでしょうか?考え、感じてみてください。
ただし、気をつけなければならないのは、本当に死んではいけない、ということです。あなたには、この世界で生きるチャンスは一度きりなのですから。
将棋を指すために生まれてきたかは分からないですけど、将棋に巡り合えたのは運命だったのかなと思いますし、将棋を突きつめていくこと、強くなることが使命・・・使命までいくかわからないですけど、自分のすべきことだと思います。
藤井聡太
まとめ
勝つために必要なもの☆死を恐れない強さ
あなたが死を味方につける方法は、つぎの通りです。
- 敢えて友だちや恋人という存在を作らず、孤独でいること
- 自分が満足する死にざまを迎えることを意識して毎日を送ること
- 自分を守るのではなく、敢えて捨て身になること
人生は勝負の連続であり、ヒトは有限の存在です。戦い失わずして、得られるものは何もないことを覚えておいてください。
著者プロフィール
- 元半導体関係の技術屋。ゲーム好きが高じて、気がつけばアキバ通い通算10年。ゲーム自体の腕はどちらかといえば下手な方。ユーザーの立場から解析するのが好きである。最近は謎解きにも興味あり。年寄りな方。
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