夢を叶える145☆セルフイメージの変容と引き寄せ
うつ状態で引きこもり、引きこもりでうつ状態、そんな「ニワトリが先かタマゴが先か」という人が身近にいたら、あなたはどうしますか?わたしなら、ノックと同時に部屋に押し入り、昼夜問わず、カーテンと窓を全開にします。
日光は、強制的に自律神経をととのえてくれます。夜風は、新鮮な酸素を脳にそそいでくれます。しっかり目が覚めたところで、強引に健康ランドにでも連れていくことでしょう。抗議されても、日にあたらず脳内のセロトニン分泌が減少して、なおかつ運動不足で反射神経も鈍っているような相手と、まともな議論は成立しません。
引きこもっていたころの自分がそうだったからという理由だけで、このようなデリカシーのない行動をするとき、頭に浮かぶイメージは、きまって三島由紀夫と太宰治です。
【わるものについて】近親憎悪に気をつけよう☆三島由紀夫と太宰治
三島由紀夫と太宰治
「俺だって作家なんだから、弱点がその人間の最大の強味だってことは知ってるよ。でも、おまえの性格的な欠陥の大半って、冷水摩擦や器械体操で治るレベルじゃない?」
「自分の努力で解決できたことまで、芸術とごっちゃにする操作が気に食わないんだよ。規則正しい生活をしろ」
「治りたがらない奴には、病人の資格なんてないんだからな」
以上、三島由紀夫が太宰治を批判した内容を超訳してみました。ただ、太宰治をメンヘラ扱いしていたのは、別に意地悪だったからではありません。おそらく、彼の少年時代が大きく関係しています。
三島由紀夫は早熟な感性をもてあます、虚弱体質の子どもでした。「アオジロ」というあだ名のいじめられっ子として、多感な少年時代を過ごしました。強調しておきたいのは、今も昔も「勉強ができるより、足が速い方がかっこいい」という子どもの世界の黄金ルールです。そして、青年時代もヒョロヒョロの体をごまかすように、補正パッドだらけのスーツを身にまとっていましたが、あるとき美輪明宏に茶化されたのをきっかけに、ボディビルという本格的な肉体改造をはじめます。それからの血のにじむようなトレーニングをして手に入れたのが、あのマッチョなボディと強い精神力なのです。
きっと、三島由紀夫は誰よりも、太宰治に近い人物だったのでしょう。自分に甘くて、身も心も鍛えない、しまいには自己憐憫にうっとりする。そんな太宰治の姿は、自分が一生かけて戦ってきた弱点を突きつけられるようで、我慢ならなかったのかもしれません。やつ当たりにも思えるので、ちょっと太宰治が気の毒です。
近親憎悪という心理
犯罪者が、取調室でカツ丼をペロリと平らげたという報道に、そこは関係ないんじゃないかと感じる人がいる一方、「まあ、ペロリですって!」と腹をたてる人もいます。もし自分なら、さすがにカツ丼は食べないと感じるからです。
しかし、「むしゃくしゃしてビルの屋上から花の種をまき散らしてやった」のような意味不明な犯罪には、わたしたちはひどく戸惑うけれど、腹は立ちません。理解ができないので、何の感情もわかないのです。困らせてやりたかった、金が欲しくて盗んだ、ウソがバレそうで殺した、という動機なら腹がたちます。自分にも、共感できる動機だからです。
このような心理を自覚しておくと、「悪者にはひどいことをしてもいい」という思考を避けられます。自分も同じことをする可能性があると知っていれば、正義の名のもとに、制裁がエスカレートすることもありません。加害者を正面から攻撃しても正当性があるのは、あくまでも被害者と身内だけで、罰していいのは裁判所だけです。
人を攻撃するときには、近親憎悪という心理を自覚しておかないと、自分のどす黒い部分をむやみに刺激してしまうことになります。刺激された部分は、いつの間にか心のなかで育ってしまうものです。
怪物と闘う者は、その過程で自らが怪物と化さぬよう心せよ。おまえが長く深淵を覗くならば、深淵もまた等しくおまえを見返すのだ。
フリードリヒ・ニーチェ
まとめ
【わるものについて】近親憎悪に気をつけよう☆三島由紀夫と太宰治
- 共感と理解があるから、腹立たしい。
- 悪への攻撃を熱心にすると、自分もとりこまれる。
著者プロフィール
- 実際には泳げないカナヅチのトランサーファーです。自然に恵まれた北の地で、家族と高齢猫と暮らしています。
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