夢を叶える145☆セルフイメージの変容と引き寄せ
人は誰しも、悩みにぶつかります。しかし、それは瞬間のものです。現在の社会においては、時は凄まじいスピードで過ぎ去ります。人はいつも何かに追われ、その場に立ち止まることがなくなりました。悩みも、時が経つごとに薄れていくのです。
それでも、悩みの中で立ち止まってしまい、そこから動けなくなってしまう人もいます。あなたは、
- 内向的、神経質、と言われたことはありませんか?
- 考えすぎ、気にしすぎ、と言われたことはありませんか?
少しでも心当たりがあるなら、あなたはHSPなのかもしれません。
【セルフチェック】敏感すぎてもラクに生きよう① HSPを知ろう
自分を知ろう
HSPとは、アメリカの心理学者、エレイン・N・アーロン博士が提唱した、Highly Sensitive Person「とても敏感な人」という概念です。これは病気ではなく、持って生まれた「気質」であり、5人に1人は「とても敏感な人」なのです。では、「とても敏感な人」とは、どのような人なのでしょうか?アーロン博士はチェックリストとして23項目を掲げていますが、要略すると・・・
- 刺激に敏感に反応する
- 人の影響を受けやすい
- 直観力があり、ひらめきが強い
- 慎重で、自分のペースで行動することを好む
- 内的生活を大事にする
(とかちむつみのクリニック院長 長沼睦雄先生による)
という特徴を持つ人です。このチェックで、自分に当てはまる!と直感した人は、おそらくHSPでしょう。
生き辛く感じる理由
1.《体》刺激に反応する
HSPは、五感(聴覚・視覚・嗅覚・触覚・味覚)が過敏です。
- 聴覚過敏では、人の動作音や、食器の触れ合う音、いきなりのエンジン音、パソコンの振動音など、人が気にならないほどの音が頭に響き、耳障り以上の不快感を感じます。
- 視覚過敏では、パソコンのブルーライトやLED、日差しなどで、目がしぱしぱします。ひどくなるとサングラスをつけなければいけないほど、目が開かなくなります。
- 嗅覚過敏では、食べ物や香水の匂い、洗剤や石鹸、トイレなど、いろんな匂いに反応し、ひどくなると気分が悪くなり、吐き気を伴います。
- 触覚過敏では、体に触れるものに敏感です。チクチクしたものやゴムで締めつけるもの、洋服のタグなどに反応し、ネックレスやネクタイも着用できなくなります。
- 味覚過敏では、カフェインや化学調味料などを受けつけなくなります。
2.《心》人の影響を受けやすい(エンパス体質)
生活していく中で、これが心理的には一番辛いことでしょう。普通、会話をする時には、その人の表情や声のトーンなどで、相手の気分を判断し対応しますが、HSPはその場において「感じ」ます。この感覚は本人でないと説明ができず、「なんとなく」そう感じるのです。笑顔で穏やかに話をしている人がいても、少しでも悪意のようなものが含まれた瞬間、モヤッとしたものが体に入り込みます。話している人も他の聞き手も気にせず、悪意も感じないのですが、同席しているHSPだけは、ダメージを受けます。まして自分に悪意が向けられると、他の人は嵐が去るまで受け流せるのに、HSPは真正面からぶつかってしまい、ダメージを食らいます。ボクシングで例えるなら、軽やかなフットワークで敵のパンチを避けきれるのが普通の人で、後ろからがんじがらめに固定されてまともにパンチを食らっているのが、HSPなのです。もちろん、その傷つきようは周りからはわかりません。本人がどれだけ辛くても、「気にしすぎ」「考えすぎ」の「弱くて甘えている人」という評価になってしまうのです。
またHSPは、「感じる」だけではなく、その情報を凄まじいスピードで「思考」してしまいます。それも「意図的に思考する」のではなく、無意識のうちに「思考開始」してしまうのです。相手の不機嫌を「感じた」瞬間に、
- なぜ、この人は不機嫌なんだろう?
- 何か不機嫌にさせるような発言をしただろうか?
- いつから不機嫌なんだろう?
- 以前に何か不機嫌にさせたのだろうか?
- もともと「気に入らない奴だ」と思われていたのだろうか?
と、いう具合に、どんどん「思考」が拡大していき、よりいっそう自分自身を疲れさせていくのです。
なぜ、このようにHSPは、あらゆる感情を「感じ」、「思考」してしまうのでしょうか?
警戒心
HSPは人間だけではなく、どんな生物においても20%ほどの割合で存在しています。HSPとは、生命の「危険」を察知する能力です。誰もが気づかない異変を「感じ」、最大限「思考」することにより、仲間に警告し危険を回避し、身を守ることができるのです。この「警戒心」こそが、HSPの気質を生み出したのでしょう。ということはHSPは人類にとって、いなくてはならない貴重な役割を担っているのです。
HSPセルフチェック
ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。 エイレン・N・アーロン[著] 冨田香里[訳]
- 自分をとりまく環境の微妙な変化によく気づくほうだ
- 人の気分に左右される
- 痛みにとても敏感である
- 忙しい日々がつづくと、ベッドや暗い部屋などプライバシーが得られ、刺激から逃れられる場所にひきこもりたくなる
- カフェインに敏感に反応する
- 明るい光や強い匂い、ざらざらした布地、サイレンの音などに圧倒されやすい
- 豊かな想像力を持ち、空想に耽りやすい
- 騒音に悩まされやすい
- 美術や音楽に、深く心動かされる
- とても良心的である
- すぐにびっくり仰天する
- 短期間にたくさんのことをしなければならない時、混乱してしまう
- 人が何かで不快な思いをしているとき、どうすれば快適になるか、すぐに気づく (たとえば電灯の明るさを調節したり、席を替えるなど)
- 一度にたくさんのことを頼まれるがイヤだ
- ミスをしたり、物を忘れたりしないように、いつも気をつける
- 暴力的な映画やテレビ番組は、見ないようにしている
- あまりにもたくさんのことが自分のまわりで起こっていると、不快になり、神経が高ぶる
- 空腹になると、集中できないとか、気分が悪くなるといった強い反応が起こる
- 生活に変化があると混乱する
- デリケートな香りや味、音、音楽などを好む
- 動揺するような状況を避けることを、普段の生活で最優先している
- 仕事をする時、競争させられたり観察されていると、緊張し、いつもの実力を発揮できなくなる
- 子どものころ、親や教師は自分のことを「敏感だ」 とか 「内気だ」 と思っていた
まとめ
【セルフチェック】敏感すぎてもラクに生きよう① HSPを知ろう
- 5人に1人はHSP。HSPは病気ではなく、「とても敏感な気質」の人。
- HSPは、すべての感情を「感じ」、「思考」してしまう。
- HSPを生み出したのは、「危険」を感じ取るための「警戒心」。
著者プロフィール
- 人間関係に悩みに悩んで、ひたすら人間ウオッチングをし、いろんなタイプの行動パターンを分析し辿り着いた、HSP(Highly Sensitive Person=敏感すぎる人、過敏な人)という概念。少しでも敏感である「気質」について知ってもらい、たくさんの人達が優しく生きていける社会になれればいいなぁ…