夢を叶える145☆セルフイメージの変容と引き寄せ
心の中で、何十年間も我慢してきた子どもは、ミッドライフ(30代後半以降)になって、はじめて自由を取り戻します。前回では、ミッドライフクライシスを中年の危機ではなく、ユングが定義した「生の転換期」としてポジティブに受けとめましょうとお伝えしました。
そのためには、今まで慣れ親しんだ価値観が、どうして崩壊していくのかを、ある程度理屈で納得しておくことが必要です。「そういう時期だからしょうがないよ」だけで気持ちを切り替えられるほど、わたしたち大人は単純ではなくなってしまっているからです。
【ようこそ大人の思春期へ!③】ミッドライフ・クライシス
静?動?性格の微調整
40代以降のクラス会では、みんなの人気者だった騒がしい生徒が、物静かなキャラクターに変貌していたり、モジモジしていた生徒が起業家になっているなんてことがよくあります。生の転換期には、性格を微調整するという役割があるのです。
活発にこなしてきた週末のゴルフや家族サービス、独身なら友人との旅行など、仕事とバランスをとるため必要だった習慣が、急に色あせてしまうケースがあります。対人関係が面倒でたまらなくなり、親戚付き合いすらバカバカしく感じられます。
あなたの性格の変化に、一番戸惑うのはあなたです。孤独を忘れるため、あるいは深く考えたくないから「行動に逃げる」自分のクセに、心当たりはありませんか?内省的になる必要性を、どこかで感じているのかもしれません。
ちなみに、俳優のキアヌ・リーブスに起きた内省の微調整は、ホームレスのように街をあてどなく徘徊して、虚ろな表情で公園のベンチに佇み、パンをむしゃむしゃ食べるという荒療治でした。あの大スターが!とハタから見ると滑稽ですが、必要なプロセスを通過しないかぎり、正しい心のバランスは取リ戻せないということです。
また、これとはまったく正反対に、いきなり活発でフレンドリーになろうと頑張るケースもあります。SNSで昔の友人関係を復活させようとしたり、趣味のサークルを構築しようとしてみたりします。こちらもやはり、性格の微調整といえますが、歯を食いしばってまで人付き合いにチャレンジする必要はないことを忘れないでください。
俳優のジム・キャリーは、「本当は真面目なコメディアン」いうイメージとキャリアを台無しにするレベルの微調整をしました。いきなりモヒカンになって周囲に見せびらかす、公の場で若い女優を口説くというはっちゃけぶりが、キアヌ・リーブスとは対照的でした。
ああ、失敗した!
興味がなかったはずの、社会的地位や肩書きが、急に魅力的に思えることもあるでしょう。結局達成できなかった目標、勝てなかった同僚、追い越せなかった友人などが、とても忌々しい存在に感じるかもしれません。「人は人、自分は自分」そんな風に割り切れていたはずだったのに。
あなたは今まで、人を押しのけてまで勝利するなんて、イヤだったのではないでしょうか?誇り高いあなたの自尊心は、自分の嫉妬や闘争心、みにくい感情をコントロールしてきました。でも、もう抱え込んだ荷物を手離してもいいころです。
解決策は、いつもの「あの場合は仕方なかったんだ」という、グウの音も出ないもっともな理屈ではありません。
そんな悔しさを認めることです。立派ではない自分に、ちょっとだけ心が痛むかもしれません。ただ、妙にスッキリするはずです。
ここで、誰でもない「自分自身が」失敗したことを認めないと、いまさら対抗心に燃えて、ほしくもないロレックスや高いゴルフクラブを買う羽目になりかねません。もちろん、本当に昔からほしかったのなら問題はありませんが。
崩壊と創造
結婚した夫婦の夢は、将来へと向かっています。おそらく、子どもが生まれて独立するまでは緻密に計画しますが、その先は漠然としています。漠然としたままで、夫婦はそれぞれの夢を見ます。
少しずつズレが生じた価値観をすり合わせることこそが、実は素晴らしい夫婦の醍醐味なのですが、ここでお互いの夢を語り合えるかどうかは、神のみぞ知ることとなります。妻と夫の言い分が、決定的に決別する場合も考えられますし、まったく新しい3つ目の選択肢が見つかる可能性だってあります。
では、あらかじめ早いうちに老後の設計をしておけばいい話なのでしょうか?残念ながらそうでもありません。田舎で自給自足で暮らすのが素敵と思うのか、この期に及んでまた働くなんてうんざりだと思うのか、むずかしいのはその時その場になってみないと、「自分がどう感じるのかがわからない」ということです。
焦燥感との付き合い方
生の転換期の焦燥感は、10代の思春期と同様に激しいものです。男性は性的魅力や活力に危機感をもつことから、スポーツジムに入会するケースもあります。女性はコスメをワンランクアップしたり、エステのコースを申し込むかもしれません。
もし、あなたが長年のコンプレックスを改善したいのなら、おおいに散財してもかまいません。誰かさんへの対抗心なのか、あるいは今こそ理想の自分になろうという決意なのかによりますが、焦燥感は適度に発散しないかぎり、ウツウツと陰にこもってしまいます。
生の転換期は、ここからの生き方が、よりあなたらしくなるための通過儀礼です。大切に抱いていくものを選択したら、しがみつくほど価値のないものなら、置いて出かけることです。ミッドライフクライシスとよばれる時期のあなたなら、人生はそれほど「おっかなびっくり」する必要がないことを知っているはずです。
運命は、われわれに幸福も不幸も与えない。ただ、その素材と種子を提供するだけだ。
モンテーニュ
まとめ
【ようこそ大人の思春期へ!③】ミッドライフ・クライシス
- 生の転換期には、あなたの微調整が行われる
- 価値観の崩壊は、新たな創造につながる
著者プロフィール
- 実際には泳げないカナヅチのトランサーファーです。自然に恵まれた北の地で、家族と高齢猫と暮らしています。
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