夢を叶える145☆セルフイメージの変容と引き寄せ
マインドセットとは、一般的には「心構え」や心の「在り方」といった日本語で訳されますが、もっと広い意味で「モノの考え方や見方」ともいえる概念です。 これは人によって千差万別だと思われがちですが、大きく分けると「柔軟なマインドセット」と「硬直化したマインドセット」に分類することができます。
努力し続ければ夢は叶うとか、難しい問題でも何度もトライすれば必ず解決できるといったポジティブな考え方の持ち主はマインドセットが「柔軟」であるといえますし、一方、人の能力は生まれつきのものだと考えたり努力しても意味がないという考え方が主流の人は「硬直」したマインドセットの持ち主です。
今回は、マインドセットがあらゆる分野のパフォーマンスに影響を与えるというお話です。心理学的な研究も参考に、マインドセットが私たちの人生に与える影響について考えてみましょう。
【努力】マインドセット① 柔軟なマインドセット
『自分は変われる』の力を知ろう!
自分が優秀だと証明し続けなければ・・・?
一般的に、硬直したマインドセットよりも柔軟なマインドセットの持ち主の方が、長い目で見ればあらゆる分野で高いパフォーマンスを上げられることがわかっています。これは多くの心理学者が指摘していることです。
たとえばスタンフォード大学の心理学教授であるキャロル・S・ドゥエックは、その著書「『やればできる!』の研究~能力を開花させるマインドセットの研究」のなかで、子供たちの心の在り様(つまりマインドセット)によって、いかにパフォーマンスの差が生まれるかについて研究結果を述べています。
自分の能力は固定的で変わらないと信じている人(「こちこち」マインドセットの人)は、絶えず自分の能力を証明し続けないと不安で仕方がない人間になってしまうといいます。
実際、職場や社交の場でも自らの有能さをひけらかすような素振りを見せる人がいますが、そういった人々は硬直化したマインドセットを持ってしまっているわけです。彼らは様々な手段で自分の有能さを確認せずにはいられないのです。
一方、マインドセットが柔軟な人々は、資質は努力さえすれば伸ばすことができると信じて疑いません。当然、持って生まれた才能や気質は人によって違いますが、努力や経験によって、あらゆる分野で能力を伸ばすことができると考えているのです。
より柔軟なマインドセットの方が、硬直化したものよりも将来的によりよい結果をもたらすのは明白でしょう。事実、歴史上の偉人たちの多くも、幼少期は「知恵遅れ」といわれていたり、凡庸な才能だとレッテル張りをされた人がとても多くいます。 アインシュタインしかり、チャールズ・ダーウィンしかり・・・。
しかし、彼らは自らの才能を磨き続け、歴史に名を残すまでの存在になったのです。そしてその裏には、「能力は努力で伸ばすことができる」というマインドセットがありました。周囲から馬鹿にされたり見下されていたことなど、彼らは意に介さなかったのです。
「硬直」か「柔軟」か・・・どちらのマインドセットを自分が「採用」するかによって、その人の未来が大きく変わってきます。そしてそれは、「自分は変われる」という信念をもてるかどうかにかかっているのです。
他人の評価が気になりすぎるなら・・・
欠点があるならば克服してしまえばいい。自分にはその力がある。
しなやかなマインドセットの持ち主は、そう考えることができます。しかし、硬直したマインドセットの人は他人からどう思われるかを気にするあまり、自分自身を向上させることについては、なかなか関心がいきません。
意外なことに、生真面目で何事もソツなくこなせる優秀な人ほど、硬直したマインドセットをもつ傾向があります。特に「一流」とされている大学や企業に勤める人のなかには、一度の失敗で自信喪失してしまう人もかなり多くいるようです。
そして、大人になってからし精神的な疾患を患う人の多くは、両親や友人から優秀な人間だという評価を与えられてきた人が多いのです。周囲の人々から誉められたり、一目置かれることが当たり前になっている人ほど、些細な失敗や挫折で、まいってしまいます。
そういった人は、批判されることに慣れていないというのもありますが、自分は生来優秀であると信じているために、努力よりも自分の「能力」に重きをおいてしまっているからです。しかし生来の能力を優秀さの尺度としてしまうと、すぐに行きづまってしまいます。心理学の調査でも、能力を誉められた生徒はその後の知能が下がり、努力を誉められた生徒は知能が上がったという結果が出ています。
他人の評価を気にするあまり、ちょっとした批判でも落ち込んでしまうという人は、その評価は永遠に続くものなのか考えてみましょう。ほぼ全ての批判や中傷とされるものは一時的なものであり、こちらの努力でいくらでも覆すことができることがわかるはずです。
レッテル張りにご用心
現代社会は「ネガティブなレッテル」がそこら中に溢れています。事実、私たちは生活のあらゆる場面で、偏見やステレオタイプ的な思考にふれる機会が増えています。時には、明らかに不当だと思われるレッテルを貼られてしまうこともあるかもしれません。そういう時に、マインドセットが硬直化したままだと、他人の不当なレッテル張りに凹んでしまうことになります。
教師や両親などのちょっとした言動によって、これまで得意だったことが一気に苦手になってしまった経験を持つ人が多いことが諸々の調査で明らかになっています。これは、教師や両親の側に苦手意識を与えるようなレッテルを貼ってしまうことに対する注意が足りないことも問題ですが、受けとる側のマインドセットが硬直化してしまっていることも大きな問題です。実際は根拠に乏しい指摘であっても、硬直化したマインドセットのせいで、必要以上に深刻に受け止めてしまうからです。
特に、他人の差別がかった言動や考え方に引きずられてしまうと、深刻な場合には、その後の人生にも甚大な影響をもたらしてしまいかねません。
本来は聡明で、細かいことにまで機転がきく子供が、両親の心無い一言によって何もしようとしなくなってしまったり、あるいは一度つまづいただけでパニックになってしまう人々が増え続けているのも、そういった理不尽で根拠の乏しいレッテル張りの影響を強く受けてしまっているわけです。
過度なレッテル張りや偏った思考に支配されると、自分はそういう人間なのだと思い込んで、やる気や自信が殺がれていってしまいます。その結果、少しでも思い通りにいかなければ、すぐに無力感や無能感に囚われるようになるのです。
このような「古い信念」を乗り越え、自分は「変われる」という信念を持ちましょう。他人の批判やレッテル張りに対しては、しっかりと合理的な根拠があるかを判断し、もし理不尽だと思うなら、決して耳を貸してはいけません。そういったネガティブな情報を遮断するのも、柔軟なマインドセットの確立には不可欠なのです。
はじめから上手くいくわけがない
人間は、ある程度のストレス下に晒されると、マインドセットが硬直化しやすくなってしまいます。これを防ぐためには、普段から自分がどういった枠組みで物事を考えているのか、注意深く観察してみることが必要です。少しでも硬直化していると感じたならば、より広い視野で物事を捉えるように心がけましょう。
特にこれまで優秀だと言われ続けてきたような人は、あらゆることが上手くいって当然だと思ってしまいがちですので、注意が必要です。どんな物事でも「はじめから上手くいく」なんてことはほとんどないという事実を、肝に銘じるべきです。そして、たとえ一時的に失敗したとしても、成功するまでトライし続けるプロセスが重要なのです。
物事は結果が全てだという人もいます。それはそれで真理なのかもしれませんが、自分の人生は自分だけのものです。結果をどう受け止めるのかは私たちのマインドセットにかかっていますし、それを生かすも殺すも私たち次第なのです。次によりよい結果を出すためにこそ、自らのマインドセットの状態をしっかりと分析することをおすすめします。
マインドセットを変化させることは、決して簡単なことではありません。しかし、実際に変化を体験した人はマインドセットがしなやかになったことによって、人生がすばらしいものになったと語っています。当然、人生のあらゆる問題が解決するということはありませんが、苦難や障害に遭遇した時に、乗り越えやすくなるのです。
硬直したマインドセットのままでは途中で諦めてしまったようなことでも、マインドセットをしなやかにすることで物事に関する考え方がクリエイティブになり、解決のためのヒントや道筋を見つけやすくなります。マインドセットは、これからの自分が進むべき道をも指し示してくれるのです。
まとめ
【努力】マインドセット① 柔軟なマインドセット
『自分は変われる』の力を知ろう!
努力し続ければ夢は叶う、難しい問題でも何度もトライすれば必ず解決できる。
自分は「変われる」という信念をもつ。
ネガティブな情報を遮断して、広い視野で自分の考え方を見つめなおす。
著者プロフィール
- WEB制作・マーケティング業に従事。各種WEBメディアにて、ビジネス系記事の寄稿もしています。
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