夢を叶える145☆セルフイメージの変容と引き寄せ
ネットの発達により、夢の叶え方も以前とはだいぶ変わってきました。ブログを使ったり、動画をアップしたり、SNSを駆使したり。そこでキーワードとなるのが、キングコングの西野さんが提唱する「セカンドクリエイターのためのコンテンツ」という考え方。
この考え方がいかに重要なのかを、2016年の紅白歌合戦を通してみていきます。
【ピコ太郎VS紅白歌合戦】まさかの逆転劇に見る、新時代のコンテンツ
「紅白 結果 意味不明」騒動
大みそか恒例の、NHK紅白歌合戦。毎年話題を集める国民的番組ですが、2016年は少し不名誉な話題もつくってしまいました。
今回問題となったのが、勝敗の結果。「視聴者投票」では、白組が約170万票差でリードし、「会場投票」でも白組が紅組の1.5倍の票を獲得したにもかかわらず、最終結果は9対6で紅組優勝になったというものでした。というのも実は、全15票のうち、「視聴者投票」と「会場投票」の重みは4票。これは、全体の約25%に当たります。つまり、「視聴者投票」でどれだけ差がつこうと、勝敗に与える影響は25%しかなかったのです。
今回NHKは、1回の対決ごとに勝敗を投票できるシステムを採用していたので、「視聴者投票」が勝敗を左右すると考えていた視聴者は多かったようです。そのため、紅白終了後のツイッターには、「紅白 結果 おかしい」や「紅白 結果 意味不明」などのワードが並びました。また、事前に審査方法をわかりやすく説明していれば、混乱は防げたのでは、という意見も目立ちました。これは、
「視聴者が、ただ番組を見るだけの時代は、終わった」
ということを象徴する出来事です。視聴者はもはや、ただ番組を見るだけの存在ではなく、ともに番組をつくりあげる存在、そんな時代がきているのです。にもかかわらず、視聴者票の影響力が軽いシステムを導入してしまったのが、今回の騒動の原因のように思えます。
「セカンドクリエイター」という考え方
お笑いコンビ「キングコング」の西野亮廣さんは、著書「魔法のコンパス」の中で、「セカンドクリエイター」という考え方を提唱しています。セカンドクリエイターとは、「本業のクリエイターではないが、ネットなどを使って自身の作品やコンテンツを発表している人たち」を指します。セカンドクリエイターの数は、今や何も発信をしない単なる受け手の数を凌駕している、と西野さんは書いています。つまり、「ただコンテンツを受け手として楽しむ人」に向けて発信するよりも、セカンドクリエイターに向けてコンテンツを発信したほうが、より多くの人に広まるという考え方なのです。
では、「セカンドクリエイター向け」のコンテンツがどのようなものなのかというと、そのコンテンツを素材として、セカンドクリエイターたちが独自の作品をつくれるコンテンツのこと。コンテンツはあくまで集合場所にすぎず、そこに集まったセカンドクリエイターたちが、そのコンテンツを使って思い思いの作品をつくる、そんなコンテンツがこれから先求められている、と西野さんは力説しています。
これを紅白歌合戦にあてはめてみると、こう考えられます。今の視聴者たちは、ただ紅白を見て年越しそばを食べるだけでは、飽き足らない。視聴者投票という形で勝敗の結果に影響力を持つことで、「自分たちが紅白をつくる」ことを楽しみたかったのです。ところがふたを開けてみれば、視聴者は所詮は「視聴者」としての役割しか与えられておらず、番組に影響を与えることはなかった。約700万の声は、芸能人審査員4人分の価値しかなかった。この「視聴者が紅白をつくるという期待感」と、「実際の票の重さ」の大きなズレが、今回の混乱を招いた一つの原因なのかもしれません。
「セカンドクリエイター」を巻き込むコンテンツについて、まだイメージがつかめていない人も多いでしょう。そこで、セカンドクリエイターを巻き込むことによって、大成功を収めたコンテンツを紹介します。それは、紅白でも披露されたピコ太郎のPPAP。なんと、関連動画を合わせて9億回以上も再生されました。この「関連動画」というのがカギです。
つまり、ピコ太郎さん本人がつくった本家のPPAP以外にも、他の人が制作したPPAPがたくさん存在するのです。女子高生たちがPPAPを踊ってみたバージョンや、メタルにアレンジしたバージョンなど、さまざまなPPAP動画がYouTubeにアップされています。つまり、セカンドクリエイターたちが、PPAPという素材を使って新たな作品を次々と発進したことが、PPAPブームを後押ししたのです。PPAPは、セカンドクリエイターたちの集合場所になっていたのです。
ピコ太郎さん自身も、セカンドクリエイターによる二次創作には寛容で、セカンドクリエイターがつくった「メタルバージョン」を、自身のパフォーマンスに取り入れたりしています。これからの時代、紅白のような「完成されたコンテンツ」ではなく、PPAPのような「加工の余地があるコンテンツ」を発信することが大切なのです。
Design is not just what it looks like and feels like.
Design is how it works.
デザインとは単にどのように見えるか、
どのように感じるかということではない。
どう「機能」するかだ。
スティーブ・ジョブズ
まとめ
【ピコ太郎VS紅白歌合戦】まさかの逆転劇に見る、新時代のコンテンツ
- セカンドクリエイターとは、本業ではないが、作品をネットで発表している人たち。
- これからの時代は、セカンドクリエイターに向けたコンテンツを発信する必要がある。
- セカンドクリエイターを巻き込むには、「加工の余地があるコンテンツ」の発信が大事
著者プロフィール
- 2015年にピースボート地球一周の船旅に参加し、現在は仮面ライダーの記事を中心にフリーライター業。また、埼玉を中心に、道端の野仏から日本の民俗を研究している日本民俗学ファン。現在、船旅や日本民俗学などをテーマにしたブログ「僕らは旅人」を展開中。
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