夢を叶える145☆セルフイメージの変容と引き寄せ
あなたは、これまでひたむきに生きてきました。襲いかかるあらゆる災いをくぐりぬけ、目の前に立ちはだかるいくつもの壁を突き抜けてきました。あなたは困難は学習だと知っていて、成長の力がみなぎっています。だから、あなたは前進しつづけるでしょう。どこまでも・・・
いかがですか?これを読んだら、自信がわいてくるでしょう?抽象的な言葉ですが、読み手は自由に解釈していくので、引きこまれるのです。
これは催眠療法の天才、ミルトン・エリクソンの言葉の使い方です。このような表現で、「普通に」会話をしながら、「トランス状態」「催眠状態」に導くことができるのです。この言葉使いを体系化したものが、NLP(Neuro-Linguistic Programming:神経言語プログラミング)のミルトンモデルです。何気ない言葉で、相手の無意識に影響を与えるのです。
ミルトンモデルを会話で使用すると、コミュニケーションが変わります。抽象的な言葉を使用し、相手を心地よい状態に導くのです。
【催眠術】NLP⑨ 最強のミルトンモデル
ミルトンモデル(催眠術)とメタモデル(質問術)
ミルトンモデルは、相手に抵抗を感じさせない曖昧な言葉で気づきを与え、無意識にアクセスして、場合によってはトランスまで導く催眠的な手法です。
メタモデル(質問術)とミルトンモデル(催眠術)は、逆方向です。けれども、相手をより望ましい方向に導く点で、目的は同じです。
メタモデルとミルトンモデルを比較してみます。
メタモデル(質問術)の特徴
- 効果的な質問を繰り返す
- 相手自身を制限している信念を崩そうとする。
- 相手に気づきを与え、信念の幅を広げる。
ミルトンモデル(催眠術)の特徴
- 直接的な表現を使用せず、抽象的な言葉で影響を与える。
- 相手の頭の中に、自由にイメージをわかせてリーディング(導く)する。
- 相手の無意識のリソース(資源、才能、パターン)に触れる。
- 会話により、相手に役立つ信念を与える。
すぐに応用できる、ミルトンモデル(催眠術)のテクニックをまとめてみましょう。
逆メタモデル(逆質問術)
逆メタモデルは、省略・歪曲・一般化するモデルです。メタモデル(質問術)は、『補う』質問により、省略・歪曲・一般化された情報を回復するものでしたが、その逆なので、「逆メタモデル」といいます。わざと『欠けた』言葉を使い、相手の無意識に補ってもらいます。
省略・歪曲・一般化した言葉を使うことで、相手に判断をゆだねて拡大解釈してもらい、相手の無意識に寄り添います。
□情報を省略する
●単純削除
具体的な部分を単純に削除して、一般化します。言葉の欠けを埋めようとして、無意識から体験を呼び起こします。
「記者やディレクターとして貧困問題を主に報道していたのですね 」
→「社会問題を報道していたのですね」
●比較削除
「前年と比べて」などの、比較の対象を隠します。比較対象を限定しないことで、更に良いもの、更に悪いものを探そうとします。
「日本経済の前年比の潜在成長率は、少子高齢化などで0%台前半に落ち込んでいる」
→「日本経済が落ちている」
「あなたは生活習慣と表情が、以前と比べて良くなっていますね」
→「あなたは良くなってきていますね」
●不特定指示詞
具体的な内容が特定されていない、網羅された曖昧な指示詞を使います。
「高齢化社会で、核家族化も進んでいる現代において、老人医療の向上は不可欠です」
→「こんな時代だからこそ、老人医療は不可欠です」
「今までのやり方では何度も失敗して、気力も予算も底をつきそうだから、痛みを伴うが根本的な解決策を採択しよう」
→「こんな状態だから、決断するしかない」
●不特定動詞
具体的な内容が特定されていない、曖昧な動詞を中心に使い、解釈をゆだねます。
「お母さんの気持ちを推し量りながら介護して、あなたの世界観も、人を見る目も、向上したのですね」
→「ひたむきに介護して、あなたも変わったのですね」
●名詞化
動詞を名詞化することで、動きと詳細を消し、相手の無意識に寄り添います。
「昔から小さな改善の努力を積み重ねて、今があるのですね」
→「昔とのコントラストが明確ですね」
□情報を「歪曲」する
●因果関係
Aという原因で、本来は関係ないBという出来事が起こる、とします。
「一晩寝ると、悩みは消えます」
●複合等価
ふたつの出来事が、イコールであるかのように伝えます。
「この問題が解決したら、この仕事は終わりです」
●マインド・リーディング
根拠もなく、相手の気持ちがわかったかのように話します。
「一生懸命に頑張っていますね」
●判断
判断する人を削除して、事実のように話します。
「散歩はストレス解消になります」
(「私にとっては」という判断を消している)
□情報を「一般化」する
●全称限定詞
「いつも」「すべて」「あらゆる」などの、一般化する表現を使います。
「いつも美味しい料理を用意してくれていますね」
●必然性/可能性の叙法助動詞
「~べき」「~しなければならない」として他の可能性を排除したり、「~できる」と断言します。
「たまにはみんなと会話することも大切ですね」
「あなたにはできます」
前提
本当かどうか判断されないように、疑われないように、前提を組み込みます。
時の従属説
「~しながら」「~の前に」「~の後に」「~している間に」「~の時」などの時間表現で、前提を組み込みます。
「ご購入してください」と言う代わりに、「ご購入の前に、何か確認することはありませんか?」と聞くと、相手は確認しなければならないことを考えます。確認することがあっても、なくても、購入することが前提となっています。
序数
「最初の」「次に」「もうひとつの」「3番目の」「最後に」などの表現で、前提を作ります。2回目、3回目があることが前提となります。
「最初は怖いかもしれません。ですが、2回目からは慣れてしまいます。最後には・・・」
「または」「あるいは」「それとも」
枝葉末節の選択肢を提供することで、前提を組み込みます。
「現金またはカード、どちらがいいですか?」(支払うことを前提とします)
意識の叙述語
「これは便利です」と言う代わりに「これは便利なのを知っていますか?」と聞くと、便利であることが前提になります。
「~に気付いている」
「~を理解している」
「~を知っている」
副詞と形容詞
「休めましたか?」ではなく「ゆっくり休めましたか?」と聞くと、相手は「ゆっくり」かどうか悩みますが、休んだことが前提になっています。
「だんだん・・・」
「ゆっくり・・・」
「深く・・・」
時の変化の動詞と副詞
「興味がありますか?」と質問する代わりに、「まだ興味がありますか?」と質問すると、相手が興味があったことが前提になります。
「~しはじめる」
「~し終わる」
「~し続ける」
「いつもより~」
「まだ~」
注釈の形容詞と副詞
「運よく」「必然的に」「幸いにも」と注釈することで焦点をずらし、前提を埋め込みます。
「この仕事はうまくいきます」ではなく、「面白いことに、この仕事はうまくいきます」と言うと、聞き手は仕事がうまくいくことが「面白い」のか、「面白くない」のか考えますが、仕事がうまくいくことが前提となります。
間接的誘導パターン
間接的な表現(話術)で、相手を誘導します。
アナログ・マーキング
「美味しいものを食べて、一生懸命、頑張ろうよ」の「一生懸命、頑張ろうよ」の部分だけ、ジェスチャーとしてジョギングの恰好をしたり、前後に「間」をあけたり、大きい声で言ったりします。すると、無意識的に「一所懸命、頑張ろう!」という気になります。
埋め込まれた命令
命令されて気分がいい人はいません。「~するのはいいことです」などの言葉を導入して、直接的な命令を避けます。
「てきぱきと仕事をするのは、いいことだと思いませんか?」
埋め込まれた質問
質問をされると、責められた気持ちになるかもしれません。こういうときは、質問を他の文に埋め込んでしまいます。
「誰がこのビンを割ったのでしょうか、私には分かりません」
否定命令
「赤い色を想像しないでください」と聞くと、赤い色を想像してしまうでしょう。禁止されると、実行してしまう性質を利用します。
「すぐに決めないでください」
会話的要求
会話のようにみせて、要求をします。「時間を教えてください」と言うと要求がストレート過ぎるので、「今、何時ですか?」と聞きた方が答えやすくなりますが、更に、「今、何時か、わかりますか?」と聞いても、相手は「~時です」と答えます。「~を知ってる?」「~できる?」という言葉を使うと、本来はYes,Noで答えられる質問なのに、相手は具体的な行動で返しやすくなります。
「成功談を話して頂くことは、できますか?」
メタファー(隠喩)
メタファーは、「たとえ」です。たとえを使うと、直接的な表現ではないのでブロックされず、暗示として深層心理に届きます。
現実性の違反
現実にありえない比喩表現、すなわち直喩、暗喩、擬人化をします。
「あなたは太陽のようだ」が直喩で、「あなたは、私の太陽だ」が暗喩です。
相手の現実的な思考を停止させ、想像力を働かせてもらいます。
引用
受け入れやすいように、第三者の話として伝えます。自分は責任を負わないで、客観的で皆に認知されているかのように、権威があるかのように伝えることができます。
「”女の熱き柔肌にも触れもせず、 ひたすら清浄堅固に戒律を守り、道を説く お坊様のあなたはなんと可哀想な、それで 道が説けますか”と与謝野晶子が言うように、体験もしないのに道を説けますか?」
まとめ
【催眠術】NLP⑨ 最強のミルトンモデル
言葉は人生を変えます。
言葉は「世界」を生み出したので、あなたを変えることなどたやすいのです。
参考 前田忠志著「NLPの教科書」、加藤聖龍著「手に取るようにNLPがわかる本」
著者プロフィール
- 理系大学を卒業し、製造業に携わっているにもかかわらず、西洋や東洋の思想に興味を持ち、コツコツと勉強しています。
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