夢を叶える145☆セルフイメージの変容と引き寄せ
私たちは、壮絶・過酷な自然界で生き抜く動物たちから、目が離せません。その究極の生態系、極寒の氷雪の自然界で生き抜く、ペンギンとシロクマ。
- 海鳥なのに飛べなくて、潜水は得意、肥満体で足が短く、歩くのが苦手なペンギンくん
- 陸生なのに泳ぎが得意、体表が白く、小顔美顔で耳が小さく、首が長いシロクマくん
どちらも、動物園では大人気です。また、ペンギンはスポーツウェアーのマーク、シロクマはエアコンや氷菓子などのブランドとしても有名な動物ですね。よく、イラストや合成写真などで、ペンギンとシロクマが同じ場所で生息?しているように描かれたり、映し出されたりしています。子ども(大人も)の多くは、北極や南極の同じ場所に棲んでいると思っているでしょうね。しかし・・・
- ペンギンは、南極大陸とその周辺だけ
- シロクマは、北極圏内だけ
にしか棲んでいません。同じ場所にいるのは、動物園だけですよ。なぜ、このように棲み分けられているのでしょうか?今回は、ペンギンとシロクマの棲み分けと生態のナゾに迫ります。
【ひよこ完敗】北極にいないペンギンと南極にいないシロクマの不思議な生態
北極から消えた「ペンギン」
ペンギンは、「オオウミガラス」という名前で、北極圏に生息していました。この「オオウミガラス(和名:大海烏、学名:Pinguinus impennis)」 は、北大西洋と北極海に分布していた、海鳥の一種です。乱獲が主な原因で、1840年代に絶滅したとされています。学名で「Pinguinus」と呼ばれるように、本来はこの鳥が「ペンギン」だったのです。古代から、北極圏の人々は、この飛べない海鳥を「Pen- gwyn」と呼んでいたそうです。この言葉はケルト語では“白い頭”を意味し、”Pinguis”はラテン語で“脂肪”を意味し、名前の由来となりました。
この、オオウミガラスの人懐っこい温和な性格が命取りになるのです。肉や卵、羽毛や脂肪を狙った人間の捕獲が盛んになり、数百万羽はいたはずのオオウミガラスは、絶滅への道を辿ります。絶滅の原因として、1年に1個だけの産卵という、繁殖力の低さも挙げられますが、人間に因る乱獲が一番の原因と言えます。“自然淘汰”ではなく、一種の“人為”淘汰とも言えかもしれません。
ペンギンは、人懐っこい性格、警戒心や恐怖心のない無防備な性格から、絶滅してしまったのです。今では、元祖「ペンギン」オオウミガラスは、80体ほどの剥製、20体ほどの骨格標本、70個ほどの卵殻が、残されているだけです。
ふわふわお化け
南極で発見された「ペンギン」
「ペンギン(penguin)」は、南半球の寒冷地に生息する海鳥で、飛べません。昔の日本語では、「人鳥」とも呼ばれてました。
南半球に棲むペンギンが、西洋世界で知られるようになったのは、大航海時代。南半球を探検した西欧人が、はじめてペンギンを見て、北極圏に棲むオオウミガラスの形態や生態に酷似していることから、これらの海鳥を「南極ペンギン」と呼んでいました。日本で一般に知れ渡るのは、南極探検以降です。
現在では、極寒の南極大陸で繁殖できるのは、「コウテイペンギン」と「アデリーペンギン」の2種だけ。「ジェンツーペンギン」「マカロニペンギン」「ヒゲペンギン」の3種は、南極圏の中でも比較的温暖な南極半島と、南極周辺の島を繁殖地にしています。
最も大型のコウテイペンギン は、体長100~130cm。人の小学生低学年程度の大きさにもなります。
最もだらけている鳥
その他のほとんどのペンギンは、春から夏にかけて、陸上で繁殖します。産卵は1~3個。オスとメスで交互に抱卵して温めます。優れた潜水能力を活かして、海中の魚介類や甲殻類、頭足類などを捕食しています。天敵は、アザラシ・シャチ・サメなどの海中動物です。南極大陸やその周辺地域で、ペンギンが生き延びている最大の理由は、シロクマなどの、陸生で肉食系の哺乳動物が生息していないことなのかもしれません。
南極にはいない「シロクマ」
「シロクマ(白熊)」は通称名で、正式名称は「ホッキョクグマ(和名:北極熊、英名:Ursus maritimus)です。生息地は、北アメリカ大陸北部やユーラシア大陸北部などの、北極圏の寒冷地だけです。
同じ寒冷地であっても、南極圏には生息していません。よく考えれば「“北極”グマ」は聞いても、「“南極”グマ」は聞いたことがありませんよね。
- 「メガネグマ」は、南アメリカ大陸に棲む、唯一のクマです。エクアドル、コロンビア、ペルー、ボリビアなどの、標高1,800~3,300mの高地を主として生息。クロ褐色の大型で、目の周辺の模様がメガネのように見えることが、和名の由来になっています。
- 「マレーグマ」は、インドネシア半島からマレーシア半島にかけて生息する、クマ科では最も小型のクマ。小型であることから“Dog Bear”(犬熊?)と呼ばれ、胸部の淡白色の三日月状の模様から“Sun Bear”(太陽熊?)とも呼ばれています。
シロクマは、なぜ南極にいないの?
その理由は、遥か昔の南半球の地形にあるようです。
クマという陸生動物が、この地球上に出現するはるか昔に、アフリカ大陸や南アメリカ大陸からかけ離れた海洋中に、南極大陸はすでに存在していました。恐竜全盛時代から後期にあたる白亜紀には、オーストラリア大陸と南極大陸は、他の大陸からは海峡を隔てて、大きく離れた位置にありました。その後、南極大陸は、オーストラリア大陸ともかけ離れ、周りを寒流だけが流れる海峡に囲まれた、地球上で最も極寒の地ができあがったのです。いくら泳ぎが得意でなシロクマでも、渡ることは不可能です。
それに、南極は「大陸」であり、平均標高は2,000mを超えます。平均気温は-40℃から-50℃とされ、北極よりも20℃以上も低いのです。したがって南極大陸には、シロクマも含めて、陸生動物はゼロなのです。仮に、シロクマを南極大陸に人が連れていったとしても、生存できるのは一時的だと考えられます。北極よりも平均で20℃も低い気温に適応できたとしても、エサの確保が問題です。極寒の大陸であり不毛地帯です。北極のように、海洋に浮かぶ氷塊の息穴から、アザラシを捕食するようにはうまくいきません。ここでの絶好のエサのターゲットは、「コウテイペンギン」と「アデリーペンギン」の2種だけ。これらを食べつくせば、終わりです。体重が500kgにも成長するシロクマに必要なエネルギー量は、1日あたり13,000カロリー程度。なんと、人の10倍です。今では、南極に比べればエサが豊富な北極でさえも、餓死するシロクマが増えているありさまなのです。
北極だけにシロクマが生き残っているのは、北極圏は、ユーラシア大陸北部や北アメリカ大陸北部からは近く、北極海の氷塊や流氷に乗って行き来でき、好物のアザラシなど、豊富なエサを捕食できるからです。
逆に、南極だけにペンギンが生き残っているのは、南極大陸は、アフリカ大陸や南アメリカ大陸、そしてオーストリア大陸から遠く離れた寒流に囲まれた極寒の位置にあり、天敵となり得る、どんな哺乳動物も辿り着くことが不可能だったからです。
「北極のシロクマくん」と「南極のペンギンくん」。どちらも、極寒の地で生き延びてきた動物。北極と南極を比較すると、圧倒的に南極の方が平均気温で20℃以上も低く、しかもエサは海洋の魚介類だけ。極寒の不毛地帯での適応が優れている意味では、ペンギンくんの判定勝ちでしょうか。
人間の教養とは野生を失うことではなく、野生を洗練させることである。
岡部伊都子
まとめ
【ひよこ完敗】ペンギンとシロクマの不思議
あなたのその悩みは、シロクマやペンギンからみたら、大したことはない
著者プロフィール
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定年退職して無職浪人生活を送る大阪在住の男性です。
未来がどんどん少なくなって過去だけが蓄積されていきます。
有り余る時間を活用して、元気になれる!勇気がもらえる!ような
記事が書けるよう日々奮闘しています。
「未来呼人(みらいよびと)」は、わたしが未来を呼べる人ではなく、
夢ある未来を呼びたいなぁ!という願望を込めて命名したもの。
世の中の多くの人々から元気と勇気をもらいながら、わたしも
元気と勇気を発信して共有していきたいと願っております。