夢を叶える145☆セルフイメージの変容と引き寄せ
『何をやってもどうせ無駄だ!』
という「無力感(無気力感)」に悩んだ経験はありませんか?
この「無力感」は、失敗やストレスの連鎖によって、「いくら努力しても無駄!」ということを学習して起こることが多いのです。
『どうせ無駄だと思い込んで、全く「やる気」のない状態になること』を、「学習性無力感」と呼びます。『努力しても意味がない』と学習してしまい、「その状況から脱出する行動を起こさなくなる」のです。
やる気旺盛で、肉体的・精神的にも健康だった人でも、誰でもが陥る可能性があります。
この「学習性無力感」に陥る要因を分析し、『何をやってもどうせ無駄!』という心理状態から脱出し、『こうすればやれる!』という「やる気をだす復活法」を探っていきましょう。
【希望】
ストレスの連鎖で陥る学習性無力感から
やる気を回復させる方法
動物実験による「学習性無力感」
「学習性無力感」は、1967年に心理学者・マーティン・セリグマンの動物実験による観察結果に基づいて提唱されたもの。これらの動物実験は、イヌにはじまってサカナ、ネズミ、ネコ、サル、ヒトなど、多種多様に及びます。
カマスの実験
「カマス」は英名では「バラクーダ」とも呼ばれ、非常に活発でどう猛な性格の魚。イワシなどの小魚を貪欲に捕食し、体長は20㎝から2mに成長する種類まで多種存在します。
【実験Ⅰ段階】:水槽の中に「透明な仕切り板」をつくる
1.元気で活発なカマスを水槽に入れ、中央を「透明な板」で仕切る
2.カマスのいない「透明な仕切り板」の反対側に、好物の小魚を放つ
3.カマスは小魚を食べようとして、何度も「透明な仕切り板」に体当たりを繰り返す
4.体当たりを繰り返しても食べることができないカマスは、
食べようとする行為そのものを諦めてしまう
【実験Ⅱ段階】:水槽内の「透明な仕切り板」を取り外す
1.「透明な仕切り板」を取り外し、カマスが自由に小魚を食べられる状態をつくる
2.小魚がカマスの目の前を泳ぎ回るが、全く食べようとしない
【実験Ⅲ段階】:他の元気なカマス1匹を水槽に放つ
1.新たに入れた元気なカマスは、自由活発に小魚をどんどん食べる
2.「小魚を食べる元気なカマス」を見た無力感のカマスも、ようやく小魚を食べはじめる
カマスを人間に置き換える
【実験Ⅰ段階】
「水槽=取り巻く“環境”」で、「透明な仕切り板=失敗やストレスの原因となる“障害”」です。「小魚を食べる=“目的・目標”」であり、「体当たり=食べようとする“行動”」であり、「繰り返す=“努力”」なのです。
さらに、「体当たりを繰り返しても食べることができない=失敗の連続とストレスの蓄積」であり、「食べようとする行為を諦めてしまう=学習性無力感」を意味します。
人間においても、自分では解決できない壁のある環境に置かれると、失敗の連続やストレスの蓄積となり、目的・目標を達成するための行動や努力を無駄と感じるようになって、学習性無力感になるのです。
これはあくまでも実験であり、「学習性無力感」を作り出すために、自力では解決できない環境設定がなされていることに注意してください。
【実験Ⅱ段階】
「仕切り板を取り除く=環境の変化(好転)」を意味し、「失敗やストレスの原因となる“障害”が無くなった状態」を指します。そして「食べようと反応もしない=環境の変化に気づいていない」のです。
環境は変化していくものという「認識力」と「観察力」、「変化適応力」が欠如しているのです。
【実験Ⅲ段階】
「新たに入れた元気なカマス=学習性無力感を経験していないか、または経験しても脱出・復活した人」であり、「手本とすべき人」を意味します。
「元気なカマスが小魚をどんどん食べるのを見る=環境の変化を察知する」ということで、「無力感のカマスもようやく小魚を食べはじめる=アイツができるなら自分にもできるのでは?」というやる気の回復です。
このように、カマスの実験を人間に置き換えてみると、学習性無力感から脱出して、やる気を回復する方法が見えてきます。
必ず復活できる!
「学習性無力感」から、やる気を回復する方法
ここでいう“学習性”の無力感では、前提として「自分の力量では変えることが不可能な環境設定」があります。極端な例としては、拉致・監禁・虐待などです。
私たちの一般的な生活においては、社会・経済の環境があり、職場や家庭や対人関係など、多種多様です。
“一般的”な無力感や無気力感においては、「自分で努力さえすれば環境を変えられる」場合がほとんどです。しかし“学習性”でも“一般的”でも、本人にしてみれば「置かれている環境は変わらない(変えられない)」と思っていることでは一致しています。
なお、「学習性無力感」の提唱者であるセリグマンは、「楽観主義」や「ポジテイブ思考法」を克服法として提唱しています。
ステップ1.「環境は必ず変わる」と認識
変わらないものは存在しません。環境も、決して一定ではなく、絶えず変化を続けています。ここでいう環境とは、自分という”内部”環境以外の”外部”環境を指します。
カマスの実験においては、あえて「自分ではどうしようもない環境、自分の力では変えようがない環境」が設定されていました。しかし、自分の力に関係なく、環境は変わるのです。
学習性無力感から脱出できない最大の理由は、「環境は必ず変化する」という環境変化の察知能力の欠落なのです。どんなに悲惨で困難な最悪の環境であっても、必ず変化します。最悪であればあるほど、好転する可能性が高く、そこが行動を起こすチャンスなのです。
ステップ2.「壁の厚さ」を推測
自信がない人ほど、壁は厚く思え、自信がある人ほど、薄く思えます。壁を取り払うには、自分の能力を超えているのか、それとも努力すれば突破が可能なのかを、推測するのです。
学習性無力感においては、障害は自力では取り払うことができないので、環境の変化を待つのです。諦めるのではなく、待つのです。
一般的な無力感においては、実際には小さくて薄い障害なのに、大きく厚く思ってしまう先入観がわざわいします。環境変化を待つ必要もなく、諦めて何も行動を起こさないのではなく、「もしかしたら取り除けるのでは?」という可能性を捨てないことです。
さらに、一般的な無力感においては、「環境は変えられない(変わらない)」という先入観も問題ですが、「変えられる環境」なのに、自分自身(内部環境)をやる気に変えられないことが一番の問題です。
ステップ3.「観察」と「変化適応」
「観察力」がないと、チャンスを逃してしまいます。行動を控えるべき悪い環境と、積極的に動くべき良き環境を、敏感に見極める観察力が必要なのです。
また、周りの人々の行動の違い・変化を敏感に感じることも重要です。自分とは異なる行動をしているのに、いつも目標を達成し、活き活きとしている人に注目し、マネをしてみます。
「変化適応力(対応力)」とは、「小魚を食べられないと思い込んでいた無力感のカマス」が、同じ環境の下で「活発に小魚を食べる元気なカマス」の行動を観察して、環境の変化を察知して、変化した環境に適応していく力のことです。
ステップ4.小さな成功を積み上げる
“学習性”であれ“一般的”であれ、「無力感」に陥る前は、失敗もするけど成功体験も多く、自尊心(自信と誇り)を持って積極的に行動していたはずです。
過去に上手くいった成功体験だけをイメージして、小さな目標から、小さな成功を積み上げます。小さな成功体験が、自尊心を回復させてくれるのです。
ステップ5.楽観と積極の「ポジテイブ思考」
楽観的な思考法は、最悪の環境であっても、「いつか状況は変わり好転する」という希望をもたらします。諦めるのではなく、チャンスを待つのです。
ポジテイブな思考法は、「どうすれば障害や壁を克服できるのか?」「どのようにしてこの窮地から逃れて脱出するのか!」と前向きに努力する姿勢を失いません。
楽観性と積極性の両方を備えた「ポジテイブ思考」は、自ら窮地に追い込んで、無力感に落とし入れるようなことはしないのです。
経営の神様、松下幸之助の格言を添えておきます。
万策尽きたと思うな。
自ら断崖絶壁の淵にたて。
その時はじめて新たなる風は必ず吹く
まとめ
【希望】ストレスの連鎖で陥る学習性無力感から
やる気を回復させる方法
ステップ1.「環境は必ず変わる」と認識
ステップ2.「壁の厚さ」を見通す
ステップ3.「観察」と「変化適応」
ステップ4.小さな成功を積み上げる
ステップ5.楽観と積極の「ポジテイブ思考」
著者プロフィール
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定年退職して無職浪人生活を送る大阪在住の男性です。
未来がどんどん少なくなって過去だけが蓄積されていきます。
有り余る時間を活用して、元気になれる!勇気がもらえる!ような
記事が書けるよう日々奮闘しています。
「未来呼人(みらいよびと)」は、わたしが未来を呼べる人ではなく、
夢ある未来を呼びたいなぁ!という願望を込めて命名したもの。
世の中の多くの人々から元気と勇気をもらいながら、わたしも
元気と勇気を発信して共有していきたいと願っております。