夢を叶える145☆セルフイメージの変容と引き寄せ
前回は、神智学での宇宙論と人間論について、簡単にお話ししました。
今回は、輪廻転生を認める、神智学の「死後の世界」をみてみましょう。
【スピリチュアルの起源⑧】神智学(2) 死後の世界
死後から再生誕へのプロセス
物質世界にいる人間が死ぬと、肉体(死体)とエーテル体の死骸を物質界に残し、アストラル体以上の体のみとなって、アストラル界層に移行します。アストラル界層で死んだ後は、アストラル体の死骸がアストラル界に残されて、残りの体が低位メンタル界に移動します。同様にして、低位メンタル界層で低位メンタル体の死骸が残され、一番内側のコザール体(魂の器)のみとなり、高位メンタル界(コザール)に移動します。
少しややこしいのですが、人間は生ある期間は5重の体を持っていて、通常の死を迎えると、肉体・エーテル体が外れて、アストラル体、メンタル体、コザール体のみでアストラル界に入り、生活をつづけます。アストラル界での死を迎えると、アストラル体が外れて低位メンタル体、コザール体のみで低位メンタル界に入り生活します。さらに、低位メンタル界での死を迎えると、コザール体のみで高位メンタル界に入り生活します。
さらに、下図では、コザール体 ⇒ 低位メンタル体 ⇒ アストラル体 ⇒ 肉体・エーテル体の流れが記されていますが、これが神智学の輪廻転生(再誕生)の流れなのです。
恒久原子
神智学では、「恒久原子」というものを考えます。この原子は、化学で用いられているものとは違い、化学の原子よりもはるかにミクロなものです。この「原子」は、各界層を構成する7つの界層に、それぞれ存在します。輪廻転生がつづくかぎり、魂にずっとつき添っているので、「恒久」という言葉がつけられています。
- 物質界層には、肉体恒久原子が存在しますが、これらの原子は肉体を形成するほか、あらゆる転生にわたって肉体をもって生活してきた期間の経験を、すべて記憶しています。
- アストラル恒久原子も、同様にアストラル体を形成し、アストラル体のあらゆる経験を蓄積します。
- 低位メンタル界には、メンタル・ユニットと呼ばれる原子が存在し、メンタル体を形成し、低位メンタル界での経験を蓄積します。
- コザール界(高位メンタル界)では、同様に、メンタル恒久原子が働くわけです。
死後に起こること
神智学では、西洋や東洋の死後の世界を、正確に説明できます。肉体からエーテル体がつながってはいるが、エーテル体が肉体からほとんどでている状態だと、臨死状態になります。死後、肉体からエーテル体が離脱してしまうと、意識を失い臨終となります。肉体を形成していた肉体恒久原子は、アストラル体の中に入って休みます。
ここで、素直にエーテル体や肉体からアストラル体がうまく離脱できると、アストラル界層での生活をうまくはじめることができます。だけど、エーテル体はアストラル体に絡みつきやすく、エーテル体が絡みついたままアストラル界層にいってしまうと、アストラル界層内にある7つのアストラル界亜層の最下層にしか入れません。重たいアストラル恒久原子を吸収してしまうのです。復習になりますが、物質界、アストラル界、メンタル界、ブッディ界、アートマ界、モナド界、アーディ界 の7つの界層は、さらにそれぞれ7つの亜層に分かれています。アストラル恒久原子も、物質恒久原子と同様に質量を有し、重力に引きつけられます。そして、7つの亜層の最下層に入ってしまうと、重すぎて地下に沈んでしまうのです。これが、他の宗教でいう地獄です。地下に沈む重たいアストラル恒久原子は、苦しみの経験を持っています。この原子の経験により、苦しさを感じるのです。重たいアストラル恒久原子が減っていくと、アストラル界亜層の上層にいくことができます。
同様にして、アストラル界層での生活が終わると、アストラル体から低位メンタル体が離脱し、アストラル恒久原子は低位メンタル体の中に入り休みます。低位メンタル界での生活が終わった時も、同様にコザール体の中にメンタル・ユニットが入り休みます。この高位メンタル界での生活は、普通の人にとって休眠状態です。
再誕生プロセス
現代の一般的な人の場合、「グループの法則」に支配されています。ある魂は、生前までの地上生活で特別に親しかったので、カルマ的な関係によって結ばれた魂たちとグループを形成しています。転生に入るときはグループ単位でおこなわれ、地上生活のなかで前世までのカルマを解消しつつ、お互いに協力し魂を少しずつ進化させていきます。このグループごとに、転生はおこります。
人類を進化に導くハイアラーキーは、時代と地域に応じて最適なグループを、転生へと導きます。宇宙から流れ込むエネルギーは、時代によって変化し、国家・地域はそれぞれ特有のエネルギーに支配されます。このような環境で、つぎに望まれる変化を起こすため最適なエネルギー条件を備えたグループを、転生に導きます。
魂の進化
上図は、低位三界(物質・アストラル・メンタル界層)における諸体の変化を示しています(出典:神尾学著「人間理解の基礎としての神智学」(コスモス・ライブラリー)。
- aは、動物から人間になったばかりの状態です。人が動物と違う点は、人間の場合、一揃いのパーソナリティーの三体と魂、およびその高位マインドがつながっているのに対し、動物では複数の低位三体に対し1つの上部構造がそれらをまとめている「群魂」と呼ばれる構造に似ています。
- bは、肉体・エーテル体が育ち、その間がつながっています。また、肉体・エーテル体の中心位置が少し上にあがり、少し上の亜層の構成する物質界層の質量の割合が増えたことを示します。そして、肉体・メンタル体が一番強力な統御要因となって、肉体からアストラル体、アストラル体からメンタル体へと、高位の体を制御するようになっています。
- cは、アストラル体が大きく成長しています。アストラル体が成長したので、アストラル体が肉体の統御要因になり、強い感情により肉体を律することができるようになったのです。
- dは、アストラル体の浄化が進み、cよりも上の亜層に進んでいますが、低位メンタル体の成長は不十分です。アストラル体のエネルギーの方がメンタル体のそれよりも大きく、アストラル体によりメンタル体が制御され、結果として感情により思考が支配されています。
- eは、低位メンタル体が成長し、アストラル体を制御することができます。真に自我が確立され、パーソナリティーが統一された状態といえます。
- fでは、魂とパーソナリティーのせめぎあいがつづいた結果、魂の方が力が勝っていき、パーソナリティーと魂の境界が消え去ります。
- eとfの間には、「イニシエーション」というプロセスが存在します。イニシエーションとは、魂がパーソナリティーを統御していく過程において、明確な構造変化に伴うイベントです。動物から人間に進化してから、ハイアラーキーになるまで、5段階のイニシエーションがあります。このような過程を通して、高位メンタル界との境界もなくなってしまったのがgです。
- hでは、高位3組と低位3組(パーソナリティー)との仲介原理であった、魂の器・コザール体は役割を終え消滅し、意識の中心がメンタル界層からブッディー界層に引き上げられます。
神智学では、bをレムリア人、cをアトランティス人、dを現代人の状態と考えています。また、魂を成長させる方法がハイアラーキーから与えられ、それがヨガなのです。レムリア人になるためにハタ・ヨガ、ラヤ・ヨガが、アトランティス人になるためにバクティ・ヨガが与えられました。d~gまでのアーリア人になるため、現代人にはラージャ・ヨガが与えられています。
死の恐怖は、
解決されない生の矛盾の意識にすぎない
レフ・トルストイ
まとめ
【スピリチュアルの起源⑧】神智学(2) 死後の世界
神智学では、エネルギー宇宙論の7界層を用いて、輪廻転生を解明します。さらに、人類の霊的目標は、より高度な界層を目指すことであると主張しました。この目標達成は、ハイアラーキー(人類を超越した存在)が助けてくれると考えています。
出典:神尾学著「人間理解の基礎としての神智学」(コスモス・ライブラリー)
著者プロフィール
- 理系大学を卒業し、製造業に携わっているにもかかわらず、西洋や東洋の思想に興味を持ち、コツコツと勉強しています。
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