夢を叶える145☆セルフイメージの変容と引き寄せ
前回は、「自信」についてお話ししました。
今回は、その逆ともいえる人生の「失敗」と、それをもたらす「感情」のお話しです。そのなかでも特に、「嫉妬」にフォーカスしてみましょう。なぜなら「嫉妬」こそが、人を最も失敗に導いてしまう感情だからです。
【良子の失敗】成功のシステム⑨ 嫉妬からの旅立ち
成功者を「子ども扱い」する良子の心理は?
日本でも、いわゆる億万長者と呼ばれる人がたくさんいますが、そのなかでもかなり上位に位置すると思われる、三四郎というお金持ちがいました。独力で会社を起こして成功させた三四郎は、独自の経営哲学で、周囲にも大変よい影響を与えている人格者でもありました。しかし、三四郎の活躍を密かに快く思っていない人物がいたのです。それは、三四郎の実のお姉さんの良子でした。良子は、三四郎が巷で成功者とみなされるようになってから、突然、三四郎を徹底的に「子ども扱い」するようになったのです。
たとえば実家に戻ってみると、三四郎のことを「ボク」と呼んでみたり、「三四郎は私が育ててあげた」とか、「私がいないとダメな人間」というように、ことさらに自分の存在の大きさをアピールするようになったのです。当然、三四郎はそんな年齢ではありませんし、独力で一からビジネスを築き上げてきた人物ですし、身内に迷惑をかけてきたこともありません。むしろ、彼の一族のなかで唯一大成功した人物であり、多くの起業家やビジネスパーソンが、三四郎を尊敬しています。家族や親戚への恩返しはもちろん、社会的にも大きな貢献をしているのです。それにも拘らず、どうして良子は突然、そういう態度をとるようになってしまったのでしょうか?
「嫉妬」は何も生まない
人間関係の機微に聡い人や、心理学に精通している人ならば、もうおわかりでしょう?良子の心に渦巻いていたもの、それは「嫉妬」です。良子は、三四郎が日本でも有数の成功者となったことに、妬みの感情をもってしまったのです。良子の自尊心は、傷ついていました。一般に、「大人」と「子ども」とでは、立場的に大人の方が上とみなされます。この前提を利用して、良子はことさらに三四郎を子ども扱いすることにより、自分の立場が上であることを必死にアピールしたわけです。そうして、何とか自らの劣等感を振りほどこうと、躍起になっていました。つまり良子は、「(成功した)三四郎よりも、私の方がエラいのよ!」といいたかったのです。
しかし、このような「嫉妬心」はとても有害な感情であり、嫉妬に心が支配されてしまうと、セルフイメージがどんどん悪くなってしまいます。嫉妬は人生に何の価値ももたらさず、事実、良子の人生にも、マイナスの影響しかもたらしませんでした。三四郎を心から尊敬していた周囲の人々が、良子を疎ましく思うようになったうえに、良子自身も、仕事で数々の失敗をするようになったのです。
良子は、「優秀な弟を徹底的に子ども扱いする」といった、つまらない方法で自尊心を保とうと考えずに、その感情が自らの「劣等感」からくるものであるという真実に、気づく必要があったのです。そして、他人の能力ではなく、自分自身の能力を向上させていくことに、フォーカスしなければなりませんでした。そうなれば、適度な嫉妬心は自らを向上させる刺激となり、良子の人生にプラスの影響をもたらしてくれたでしょう。向上したいという気持ちは、一種の競争心であり、嫉妬ではないからです。
自分自身が「敵」になるとき
嫉妬とは、良子が「はまってしまった」ように、自分自身を向上させようという気持ちのないままに他人を妬み、相手を馬鹿にしたりからかったりすることで、自分の立場を少しでも向上させようとする逆効果のふるまいです。自らの劣等感に振り回されて、相手を詰ったり貶したりして、立場やアイデンティティを守ろうとするのです。しかし、そんなことでは、自らの劣等感を乗り越えることなどできません。むしろ、自分のセルフイメージがますます傷ついてしまい、自らの首を絞めてしまうことになります。まさに、負のスパイラルです。このように、私たちはともすれば、「自分が自分の邪魔をしてしまう」場合があります。自分が自分を成功に導かなければならないのに、自ら妨害をしてしまうことがあるのです。そうなると、自分こそが最大の敵となってしまうでしょう。
しかし、嫉妬心は乗り越えることができます。あなた自身がそう思わないかぎり、「劣った人物」であるとか「蔑まれるべき人間」だなどと、誰にも思わせることはできないのです。自分自身を卑下する感情は、結局のところ、自分でそう思い込んでいるにすぎません。仮に他人にネガティブなことをいわれたとしても、その人にあなたの考えや価値観、ましてや将来の行動まで支配することはできないですし、そんな人を相手にする必要など、さらさらないのです。
あなたは、嫉妬に勝たなければなりません。嫉妬によって、人は自分の世界に閉じこもってしまいがちですが、あなたはそれを明確に拒否しなくてはならないのです。嫉妬は、自分自身の確固たる目的を持つことで、徐々に克服していくことができます。
人に対する否定的な感情を、あなた自身の積極的な目標に昇華しましょう。それだけが、嫉妬による人生の「失敗」を乗り越える方法なのです。
真に愛する心の中では、
嫉妬が愛情を殺すか、
愛情が嫉妬を殺すかのいずれかである。
ブルージュ(フランスの作家)
まとめ
【良子の失敗】成功のシステム⑨ 嫉妬からの旅立ち
- 「嫉妬」は、何も生まない。自分にも他人にも、よい影響を及ぼすことは皆無である。
- 劣等感からくる嫉妬は、人を馬鹿にしても拭い去れない。むしろ、セルフイメージが傷ついて、ますます劣等感が強くなる。
- 嫉妬は、自身の確固たる目的を持つことで、徐々に克服できる。積極的に目標を立てて、自分の人生を生きるべきである。
著者プロフィール
- WEB制作・マーケティング業に従事。各種WEBメディアにて、ビジネス系記事の寄稿もしています。
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