古代インドでは、アーリア人の侵入によりバラモン教が成立しました。このバラモン教により、バラモン(司祭階級)、クシャトリヤ(戦士・王族階級)、ヴァイシャ(庶民階級)、シュードラ(奴隷階級)という階層社会が形成されました。
ところが紀元前5世紀頃、十六大国が形成され、庶民階級が富を蓄積しギルドに似た組合を作り、都市の経済的実権を握りました。この人達は、バラモン教が面白くないわけです。そこで、バラモン教に対抗する思想運動が発生し始めました。ジャイナ教や仏教です。
仏教は、お釈迦様によりはじめられました。お釈迦様は、「縁起」「四諦」「八正道」「解脱」を説くとこにより、バラモン教の転生輪廻から解脱できると主張しました。その後、上座部仏教と大乗仏教に別れ、大乗仏教から竜樹による中観派がでてきました。
次いで、ヨーガの影響を受けた唯識思想が発生します。さらに、加持祈祷を中心とした密教が発生します。この頃になると、お釈迦様の神格化がおこり、やがてお釈迦様はヒンドゥー教の一人として数えられるようになり、インドの仏教は衰退・消滅していきます。 お釈迦様の教え、竜樹の教えについては、すでにさらりと説明しているので、ここでは唯識思想について見てみましょう。