前回の【知情意シリーズ第一弾】では、「“心”の3つの働き《知情意》の意味と人間性との関係」について、考察しました。「知情意」とは、人の“心”(精神)の活動である「知性・感情・意志」という3つの働きが三位一体となってこそ、人としての人格が形成され、人間性を豊かにするというお話しでした。
私たちの日常の行動のすべては、脳内メカニズムによる「知性・感情・意志」という3つの働きで決定づけられます。具体的には「(情動)→ 感情 → 意志(意欲) → 知性(理性) → 行動」または「(情動)→ 感情 → 知性(理性) → 意志(意欲) → 行動」というパターンを繰り返しています。
しかし、実際の多くの場面では、心の中でさまざまな葛藤が生じて、思い通りに行動できないことがしばしばあります。「情動 ⇔ 感情」「感情 ⇔ 意志」「感情 ⇔ 知性」「意志 ⇔ 知性」などの対立、すなわち“心の葛藤”や“心の迷い”が生じているのです。
今回の【知情意シリーズ第二弾】では、「脳内メカニズムによる知情意の働き」と「知情意の三位一体のバランスが崩れた場合の精神的疾患(心の病気)」について考えます。