【奇跡の女~アンの物語⑥】アンと良子 By neneco 「9時までには、帰ってこなあかんで!」 母の声を聞き終える前に、私は家を飛びだしていた。真冬の寒空の下、短いスカートに、なれないブーツをはき、母の赤の口紅を塗り、精一杯の大人びた格好ででかけた。なんとか17歳にはみえないように。 [Read more…]
【奇跡の女~アンの物語⑤】手紙 By neneco ない。 どこを探しても、ない。 ヴィトンのバッグがない。 高校生の時、雑誌の中の、すごく大人っぽいモデルさんが持っていたヴィトンのバッグで、ずっと憧れてて、はじめてのバイト代でドキドキして買ったものだ。大切に、白い専用の袋に入れてしまっていたのに、どこにもない。 三四郎に聞いても、知らないし、見たこともないという。 実家に電話して、母に聞いても、知らないという。 [Read more…]
【革命の精神】戦う作法 By 山家 衛艮(やまが えごん) 2016年の夏に、選挙権取得年齢が18歳に引き下げられてから、国会議員のセンセイ方の様々な目論見通りに事が運んだかどうかはともかく、僕のようなヒネクレ者は、どうにもこの事態を肚はらの底に落ち着かせることが難しい。若者を国政に参加させる前に、やっておくべきことがあるだろう、と思ってしまうのだ。 そもそも20歳からの選挙権、ということ自体、僕には早すぎると感じていた。今の日本で、自分が汗水流して稼いだ金から税金を納めているという確かな実感をもてるのは、25歳くらいからではなかろうか?行政の運営に己の労働を介して参加している、という実感をもてない人間に選挙権を付与する根拠と意味が、僕にはどうしても分からない。 [Read more…]