「認知症」と聞いても、若い人にはピンとこないかもしれませんね。知ってましたか?
- 認知症は、“発症する20年も前から、予兆”がはじまる
- 認知症は、“65歳以上の5人に1人”が発症
- 認知症は、“不治の病”
65歳で発症すれば、その予兆は45歳からはじまっていたかもしれないのです。しかも、不治の病。発症した後では、元に戻らないのです。認知症患者は、増加しています。厚生労働省による2025年の推計患者数は700万人、その予備軍(軽度認知障害者)は600万人で、合計1,300万人に増加するとしています。全認知症患者の内、
- アルツハイマー型:60%
- 脳血管性型:20%
この2つのタイプの認知症で、全体の80%を占めています。読売新聞夕刊の一面に「アルツハイマー病・発症前治療~国際研究に東大参加」という記事が掲載されました(2016年10月17日)。“発症前治療”は、現在の医学では“発症後”では根治できないことを物語っています。アルツハイマー病の原因とされる、脳内蓄積物質「アミロイドβ」という異常なタンパク質を、発症後に減少させる新薬治験において、世界各国が相次いで失敗・挫折しているのです。認知症が進行した段階では、「アミロイドβ」を除去できたとしても、肝心の神経細胞が死滅していて、認知機能の改善はできなかったのです。
発症患者の「アミロイドβ」は、10年~20年も前から蓄積されることが分かっています。そこで、神経細胞も認知機能も正常なうちに、アミロイドβを除去して治療する、世界的な国際研究がスタート。日本からは、東大が参加することになったのです。世界的にも根本的な治療法がない、認知症の本格的な治験に、いよいよ日本も本格的に動きはじめたのです。
今回は、アルツハイマー病を中心に、認知症について考察します。