夢を叶える145☆セルフイメージの変容と引き寄せ
スピリチュアルな本や映画はたくさんありますが、この「ザ・シフト」は原作者自らが出演して、本に書いてあることを映像とともに語りかけてくれます。
作者は、世界的にはスピリチュアル界の大御所なのに、日本では意外と知られていない心理学者のウェイン・W・ダイアー氏です。ダイアー氏は映画という物語性の中で、その主張をていねいに紹介しています。
登場する数組は、いずれも特別な人ではありません。誰もが普通の生活をしてますが、彼らの生活背景は、何かしら気持ちによりどころがありません。そんな普通の人たちだからこそ、観ている人にとっては思い当たるフシがいくつもあるはずです。
そこでダイアー氏が語るメッセージは、強い共感を呼び、あなたの心に響きます。
人生の転換期を引き寄せるスピリチュアル映画「ザ・シフト」
「シフト」は人生の転換のこと
人生には転換期があるといいます。このザ・シフト(The Shift)は「転換」の意味ですが、ある日突然、啓示が訪れるという映画ではありません。
このような一大決意的なものはありませんし、宗教的な悟りでもなければ目覚めでもありません。
ダイアー氏の語るシフトは、カール・ユングの「人生の午前と午後」を引用して説明しています。これまで「エゴ」で生きてきた人生の午前から午後に向かうとき、「クオンタム・モーメント(飛躍的瞬間)」が訪れると語っています。
この転換が意味するものが、映画と本のタイトルにもなっている「ザ・シフト」です。前半では、何不自由なく暮らしている夫婦の間にくすぶる不満や、ある主婦が夫と子供にまったく不満がないにもかかわらず、自分自身のこととになると満たされない感情を持て余している様子などが紹介されています。
そして面白いのは、この映画を担当するクルーのシチュエーションです。制作を指揮する映画監督が、ダイアー氏の語る話に次第に興味を示していくプロセスが、ありありとリアルに描かれています。
この監督は名声というエゴに囚われていて、なんだかソワソワ落ち着かないのですが、取材しながらダイアー氏の話を聞くことになり、次第に監督自身の人生も、午前から午後へとシフトしていくのです。
シンクロニシティによる引き寄せ
映画監督はダイアー氏に質問します。
この質問をすること自体が、クオンタム・モーメントに大きく近づいたのだ。シンクロニシティと呼ばれる日常の偶然の中で引き寄せられたのだ。映画を観ているわたし達がそこに気がつくのです!そして、ダイアー氏は言います。
「欲しいものを引き寄せると考える人が多いみたいですが、私はそうは思わない。
人は、自分と同じものを引き寄せる」
シンクロニシティは「意味のある偶然の一致」と呼ばれ、単なる偶然とは違いは「意味のある」ことがあるかどうかです。意味があると思うのはあくまで自分自身ですが、ダイアー氏の「自分と同じものを引き寄せる」という言葉は、とても多くのことを示唆してくれています。
わかりやすい引き寄せの例―母親の場合―
先ほどの、家族に囲まれ幸せな生活を送っている主婦の例ですが、どこか満ち足りない感情の原因は、「自己の成長」に対する不満だということが後になってわかります。
保養地で家族と過ごしているとき、主婦には「綺麗な景色を絵に描いてみたい」という気持ちがよぎります。
そして、ある夜、自分の寝室に誰かが置き忘れた、鉛筆と白紙の紙を見つけてはっとします。彼女はバスルームで無心に今日見た景色を描きはじめるのでした。
ダイアー氏は映画で、こんな興味深い調査結果を紹介しています。女性に自分が生きていく上で大事にしている価値観を尋ねると、
「人生の午前に生きる人」いわゆるシフト前
1位・家族
2位・自立心
3位・キャリア
4位・帰属意識
5位・魅力的であること
「人生の午後に生きる人」いわゆるシフト後
1位・自己成長
2位・自尊心
3位・スピリチュアリティー
4位・幸福
5位・許し
このように変化したといいます。長い間、家族や家庭本位の生活だった主婦の転換期は、絵を描くことが自己成長への意味ある偶然となったようです。ちなみに男性のシフト前は、
1位・お金
2位・冒険心
3位・功績
4位・快楽
5位・尊敬されること
シフト後には?
1位・スピリチュアリティ
2位・安らぎ
3位・家族
4位・神の意志(自分の人生の目的)
5位・正直
この映画を担当した映画監督も、すれ違いがちな夫婦も、母であり妻である主婦も、いくつかの必然的な偶然から導かれ、いつしか精神的なよりどころを見つけていきます。決して劇的でもなければ、修行の後の悟りでもありません。
そして、これまでよりエゴに左右されない価値観、精神性を大事にするようになっていく様子が描かれています。ぜひ、一度ご覧ください!
自分が満足しようとしてはじめて、
相手にも満足を与えることができる。
自分が楽しくなければ、
普通、相手もがっかりするものだ
ウエイン・W・ダイアー
まとめ
人生の転換期は自然にやってくる
- クオンタム・モーメント(飛躍的瞬間)を意識することで大きく近づく シンクロニシティ。その「引き寄せ」は、欲しいものを引き寄せるのではなく、自分と同じものを引き寄せることである。
- 人生の転換期は自然にやってくる。クオンタム・モーメント(飛躍的瞬間)を意識することで大きく早まります。
- シンクロニシティ(意味のある偶然の一致)は、あなたの意志と無関係に引き寄せる。
- 「引き寄せ」は、欲しいものを引き寄せるのではなく、自分と同じものを引き寄せる。
- 「エゴ」に左右されない人生の午後には、それまでの人生で大事だった価値観さえも変化する。
著者プロフィール
- プロフィール:すぐ横に畦道の見えるところで書いています。人間みんな1個ずつ持っている「脳」の生理について勉強中です。自分の持ち物なのに、知らない不思議な仕組みがいっぱいあって、ライフワークにしようかなって思っています。誰か教えて下さい。
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