夢を叶える145☆セルフイメージの変容と引き寄せ
子どものころ、誰もが歌った童謡「うさぎとかめ」。 この童謡のルーツは、イソップ童話です。
この寓話から得られる教訓は、2つあります。
- 「油断大敵」 いくら自信があっても、過信して油断すれば失敗する。
- 「奮励努力」 見かけの能力は劣っても、地味な努力を継続すれば成功する。
カメは、日本の童話「浦島太郎」にも登場します。
浜辺で、子どもたちにいじめられていたカメを助けた、漁師の浦島太郎。カメは恩返しに、浦島太郎を背中の甲に乗せて、海底にある竜宮城に案内するのです。
カメと浦島太郎との関係には、受けた恩に感謝して報おうとする「報恩謝徳」の教訓が伺えます。
カメにまつわる童話や神話、伝説などは、世界各地に存在します。カメは、人の文化の発展と深く関係している動物です。今回は、カメの生態の不思議や、文化との関わりに触れながら、カメから学ぶ教訓をお伝えします。
【カメとともに生きる】あなたも仙人になれる!?兎角亀毛の人生訓
海亀の不思議な生態
3~4年間隔で、1シーズンに3~4回産卵する
海亀の産卵期は、3~4年間隔。夏場に同じ砂浜で、1シーズンに2~3週間おきに、3~4回の産卵を行います。1回あたりの産卵数は、100個~150個。浜辺に上がって海に戻るまでの産卵活動に要する時間は、1~2時間程度です。
陸生活に慣れていない海亀にとって、浜辺を不器用に歩き、最適な場所を探しあて、深さ60㎝まで砂を掘りおこして産みつける産卵は、重労働で、しかも危険がいっぱいです。できるだけ天敵を避けて、夜の間に産卵を終えます。産みつけた砂穴を埋め終ると、海に帰っていきます。
産卵する時に溢れる涙は、苦しみの涙ではない
海亀が産卵する時に、溢れるほどに流す涙。しかし、これは海亀の生理現象で、産卵時だけに流す涙ではありません。海亀は海中でエサを捕獲する時に、塩分たっぷりの海水を同時に飲み込んでしまいます。体内に溜まった過剰な塩分を、眼の近くにある涙腺から排出しているのです。でも、もしかしたら塩分だけではなく、産卵の苦しみや喜びの涙も含まれているのかもしれませんね。
オス♂かメス♀かは、孵化する時の温度で決まる
自然の摂理なのか?それとも神様のいじわるなのか?なんと海亀の性別は、29℃を境目とした温度差で決められるのです。29℃未満であればオスだけが産まれ、29℃ではオスとメスが、そして29℃以上になるとメスだけが産まれるのです。ある特定の産卵時では、全てがオスだけとかメスだけとか偏る場合もありますが、トータルで見れば、オスとメスとのバランスは保たれるです。なぜ温度差で決まるのかは、いまだに謎のままです。
孵化後の生存率は、わずか1%未満しかない
産卵された卵は、約50日で孵化します。しかし、台風などの自然水害によって、孵化する前に全滅する危険もあります。孵化した子亀は、日中の熱い砂を避けるため、気温が低くなる夜を待って、海辺に向います。この時の目印となるのが、波打ち際の光です。街灯などの人工的な灯りの方向に間違って進んで、死んでしまう子亀もいます。また、間違って明るい日中に移動すると、海鳥などに捕食される危険もあります。
運よく海中に辿り着いても、四六時中、捕食の危険にさらされながら生き延びなければなりません。息継ぎで水面に近づけば海鳥に捕食され、海面下では魚やカニたちに狙われます。海草などの茂みに隠れるようにして、成長していきます。
孵化した子亀から大人になれる確率は、なんと1%未満。100匹に1匹とか、1000匹に1匹とか言われています。なんとも過酷で、貴重なカメの命なのです。希少な命だからこそ、長生きするのかもしれませんね。
ウミガメの平均寿命と長寿記録
カメは、動物の中でも長寿の代表格とされています。その平均寿命は、100~200年とされています。今までの長寿記録としては、ゾウガメの152年や175年の飼育記録が残っています。不確実な記録としては、同じゾウガメで193年や255年というものがあります。いずれにしても、カメが長寿の動物であることは間違いありませんね。
カメにまつわる諺と教訓
ツルは千年、カメは万年
昔から、ツルやカメは寿命が長い生き物の代表とされ、長寿や縁起を祝う時の言葉に使われてきました。実際の寿命は、鶴(タンチョウヅル)で20~30年、亀(ゾウガメ)で100~200年といわれています。
カメが万年の長寿とされる思想の由来は、カメの奇妙な形態や、神秘的な生態から想像されたものとされています。巨大なカメの存在や、苔が生えた甲や、首回りのシワなどから、長寿を想像したのでしょう。
カメの甲より年の劫(功)
「カメに比べれば、人の寿命は短いが、年長者の知恵や技術などの豊富な経験は貴重であり、尊重すべきものである」という意味です。「劫」は極めて長い時間のことです。
同じような意味を含む言葉に、「蟹の甲より年の劫」や「医者と坊主は老人がよい」があります。
兎角亀毛(とかくきもう)
『通常であれば起こるはずのないことの例え』として使われる言葉です。「兎角」は兎に角が生えることであり、「亀毛」は亀に毛が生えることです。しかし、実際にはウサギに角が生えたり、カメに毛が生えたりすることはないので、「起こり得ることがないもの」という意味で使われます。
中国の古典「述異記」には、カメは千年で「毛が生え」、五千年で「神亀」、一万年で「霊亀」と呼ばれるようになると記載されています。実際に、カメの図画には、甲に毛が生えた状態で描かれたものが多く見受けられます。古代中国では、カメは「神亀」や「霊亀」として、神聖なものとして捉えられていたようです。
「王八蛋(ワンパータン)」
現代中国において、カメは侮辱表現としても使われています。最大の侮辱語とされるのが「王八蛋」。「王八」は、カメを意味します。中国人が守るべき八徳(仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌)を忘れるという意味の言葉が「忘八」。「王八」と「忘八」の発音が似ているために、(語尾にタマゴの意味の蛋をつけて)「王八蛋」が、『大切な八徳を忘れてしまうような愚か者や恥知らず者』の意味として蔑んで用いられています。「ワンパータン」の語源ともなっています。
日本では幼稚園のころから、童謡「うさぎとかめ」やイソップ童話「ウサギとカメ」にふれて、カメは親しみのもてる身近な動物として受け入れられてます。大人も原点に返り、「油断大敵」「奮励努力」「報恩謝徳」「兎角亀毛」など、カメからの教訓に親しみ、肝に銘じておきたいものです。
ウサギとカメならカメでいい。
我慢する勇気が重要なんです。
長嶋茂雄
まとめ
カメに教わる教訓
- 「油断大敵」注意を少しでも怠れば、思わぬ失敗を招くから、十分に気をつけること。
- 「奮励努力」目標に向って気を奮い起こし、努め励むこと。
- 「報恩謝徳」受けた恩や恵みに感謝して、それに報いること。
- 「兎角亀毛」現実には有り得ないものを有ると錯覚し、実体のないものを貴ぶことのないよう戒めること。
著者プロフィール
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定年退職して無職浪人生活を送る大阪在住の男性です。
未来がどんどん少なくなって過去だけが蓄積されていきます。
有り余る時間を活用して、元気になれる!勇気がもらえる!ような
記事が書けるよう日々奮闘しています。
「未来呼人(みらいよびと)」は、わたしが未来を呼べる人ではなく、
夢ある未来を呼びたいなぁ!という願望を込めて命名したもの。
世の中の多くの人々から元気と勇気をもらいながら、わたしも
元気と勇気を発信して共有していきたいと願っております。